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内容説明
ここ数年で一般的になってきたカタカナ語に「パティシエ」があります。このフランス語の本来の意味は「菓子屋(菓子を製造する人、販売する人)」ですが、昨今のパティシエ・ブームは、この言葉を必要以上に美化している感があります。そういった風潮に一石を投じ、パティシエの実像を描いたのが本書。著者の永井紀之氏は、東京の郊外・下高井戸で<ノリエット>というフランス菓子屋を営むパティシエ。フランス菓子を通してフランスの食文化を伝え続ける永井氏が、フランス菓子の魅力、日本人が日本でフランス菓子を作り、売ることの意義を綴りながら、菓子職人の眼を通した日仏の食文化の違いを語っています。本書を読むと、フランスと日本でのお菓子屋さんの立場の違い、生活の場においしいお菓子屋さんが存在する幸福が理解でき、一読後にいただくフランス菓子の味が格別なものになること請け合いです。
目次
第1章 パティシエへの道(フランス菓子屋であるために;フランスへの憧れからすべては始まった ほか)
第2章 フランス修業時代(パリ、そして南仏へ;自分から仕事を取って、周囲の信頼を得る ほか)
第3章 お菓子の食材(フランス菓子の食材;食材の特質が食文化の発展を方向づける ほか)
第4章 フランス菓子の魅力(菓子職人の仕事;菓子職人の見る夢 ほか)
第5章 日本の食文化・フランスの食文化(お菓子への評価をめぐって;フランス菓子屋の存在価値 ほか)