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内容説明
近代国家日本は、いつ何のために、創られたのか。否応もなくナショナリズムを自覚せざるをえない時代状況の中にある我々が、もっとも根源的なところから問題を捉えなおすために、日本ナショナリズムの起源と諸相を十冊のテキストを手がかりとして網羅。「思想史」をいまここで使える道具箱へと変貌させる野心作。
目次
序章 近代と伝統―日本ナショナリズムとは何か
第1章 この人を見よ!―ナショナリストの肖像 石光真清『城下の人』『曠野の花』『望郷の歌』『誰のために』
第2章 隠岐コミューンに始まる―郷土のナショナリズム 橋川文三『ナショナリズム』
第3章 ここはお国を何百里―友情のナショナリズム 金田一春彦ほか『日本の唱歌』
第4章 ああ、日本のどこかに―郷土のナショナリズム 志賀重昂『日本風景論』
第5章 もののふとたおやめのあいだ―文化のナショナリズム 三宅雪嶺・芳賀矢一『日本人論』
第6章 民族独立行動隊、前へ!―革命のナショナリズム 小熊英二『“民主”と“愛国”』
第7章 少年よ、国家を抱け―男気のナショナリズム 本宮ひろ志『男一匹ガキ大将』
第8章 近代というプロジェクトX―歴史のナショナリズム 司馬遼太郎『坂の上の雲』
第9章 カイシャ・アズ・ナンバーワン―社会のナショナリズム 村上泰亮ほか『文明としてのイエ社会』
第10章 普通の国となるとき、それは今?―軍備のナショナリズム 小沢一郎『日本改造計画』
終章 日本ナショナリズムの現在―『戦争論』以後
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
浅香山三郎
12
かなり積ん読にしてゐたが、読んでみたら面白かつた。かなり多様なナショナリズムの展開をカバーしながら、各章ごとの読書案内も丁寧で、有り難い。第6章、第7章が特に面白いと思つた。2018/09/05
林 一歩
10
右でも左でも真ん中でもない、ナニモノでもない宙ぶらりんな男でいいや、宗教とか思想とかに関しては。2012/06/28
かんがく
9
アナーキズムが面白かったのでこちらも。冷戦期までは共産党などの左翼陣営が「民族」を唱えていたというのが一番興味深かった。拡散型ナショナリズムと収斂型ナショナリズム、大衆思想家司馬遼太郎など現代の情勢とも合わせて色々と考えさせられた。2017/10/21
よんだ
7
ふぅ、疲れた。思想史をまとめる事は新しいものではありませんが、様々な視点からのナショナリズムが読めてよかったです。結局のところ、皆がナショナリストってなってた。2014/02/21
amanon
6
左を自称する人でも、その影響と全く無関係ではいられない「ナショナリズム」という呪縛…いや、一言で呪縛だと結論づけられない。それはある時は空気のようなものであり、ある時は明確なイデオロギーとして、色々な形態で我々に影響を及ぼしてくる。そもそもネーションという概念そのものが、比較的最近のもの。それがどうしてこうも我々の心情を支配してくるのか?もちろん本書がその答えを提示するわけではない。あくまでそれについて考えるヒントを与えるにとどまる。ただ、合理性やエビデンス性に基づいて人は生きるのではないことがわかる。2022/10/29
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