クリスティー文庫<br> 動く指

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クリスティー文庫
動く指

  • ISBN:9784151300370

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内容説明

傷痍軍人のバートンが療養のために妹とその村に居を構えて間もなく、悪意と中傷に満ちた匿名の手紙が住民に無差別に届けられた。陰口、噂話、疑心暗鬼が村全体を覆い、やがて名士の夫人が服毒自殺を遂げた。不気味な匿名の手紙の背後に隠された事件の真相とは? ミス・マープルが若い二人の探偵指南役を務める。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

W-G

466
私の中でミスマープル物の印象は「トリックや謎解きは薄味だけどストーリーは面白い」というのが強く、この作品もソレ。主人公兄妹のキャラが良く、ベタすぎる恋愛要素も上手くはまっており、設定もユニーク。なのに殺人自体はとても地味で、犯人が警察の手から逃れるためにとった手法も、心理的な欺き程度で読者を驚かせるものではない。ミステリとしてか物語としてか、評価基準次第で全然点数が変わってくる一冊。ジェリーとミーガンの恋愛のくだりは、イギリス人だとキレイな感じだが、日本人でこの年の差でこういうことやってたらちょっと引く。2018/01/25

Kircheis

122
★★★★☆ ミス・マープルシリーズの一つだが、物語は語り手ジェシー・バートンの視点で進行し、マープル自身はむしろサブキャラ扱いという点で、クレメント牧師が実質的な主役だった『牧師館の殺人』を彷彿とさせる。 途中から謎解き部分よりバートン兄妹の恋愛模様が気になって、あまり真相とかトリックとか考えずに一気読みしてしまった(笑) シェイクスピアを気に入らないと言っていたミーガンが、ジェシー宛に書いていた手紙にて『ソネット集』の一節を引用していたのがオシャレで素敵。2019/01/06

紅はこべ

109
マープルものの中ではコンパクトにまとめられた小品で、地味で目立たないが、私は好きだ。マープルの推理の道筋がすっきりしていて、きれいなのだ。「火のないところに煙は立たない」というのは英語にもある諺なのね。バートン兄妹の恋の落ち方も、それぞれのキャラに合っていて面白い。クリスティはやはり一流のロマンス作家でもあるな。

セウテス

100
ミス・マープルシリーズ第3弾。〔再読〕本作は語り手であるジェシーが、事故でケガをした後に療養の為、妹と移り住んだ町での事件。町では何者かによる中傷の手紙が、数人の家に送られて来て問題となっている。やがて、中傷を苦にしたらしい自殺が起き、殺人事件に発展していく。ちょっと変わった女性を魅力的に描いて、ロマンスとして読めるスタイルのアガサ作品。ミス・マープルはラスト100ページ程しか登場はないが、しっかりと存在感があるのが良い。アガサらしい謎解きなので、読み慣れた読者は推理しやすい、押さえておきたい一冊だろう。2018/11/04

おか

82
マープルさん物3作目。まぁ長いことマープルさん出てこない。彼女のちょこまか ちょこまか歩く姿 そして 色んな人と噂話に興じる姿が楽しみでこのシリーズ読んでいるのに、、、笑 ジェリーとジョアナの兄妹の活動も面白かったし ミーガンの変化も楽しかったので それで良しとします( ◠‿◠ )犯人はいつもながら馬鹿な人です(^^;;2018/03/30

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