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内容説明
「アパートに母は来ました女いた」──川柳は〈笑いの文芸〉であります。そして浮世のさまざまな出来事や人々の思いを映す「鏡」であります。俳名・変哲こと小沢昭一は幼少のみぎりより落語や川柳に親しみ、「役人の子はにぎにぎをよく覚え」などという有名句に唸っておりました。本書は著者が選者を務めている「小説新潮」誌への読者投稿句、九年分をまとめたものです。皮肉、諧謔は川柳の身上。大いに笑ってください。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinupon
70
川柳って時代を映す鏡ですね。ユーモアでなくエスプリですね。2017/12/31
ヒラP@ehon.gohon
20
平成6年から平成14年、20世紀から21世紀にかけて作られた川柳が集められています。当時を振り返るといろんなことがありました。現在との微妙なずれも味わえます。2020/12/09
猫丸
13
この十年で、野坂・永・小沢の昭和御三家は皆さん西方浄土へ転居された。そろそろ団塊が旅立ち、その次が僕らの番だ。故国滅亡を見ずに済むかどうか危ういところだな。世相を茶化す民が少なくなって、三千万ほどが火の玉精神のヒトに変わってきたらしい。ご苦労なことだ。そして迷惑だ。p.166「新入りを靖国神社待っている」と笑えるうちが花。とかく憂き世は住みにくい。火宅のうちに起臥し「リモコンを炬燵の妻の背に向ける」p.132くらいが関の山です。2019/11/21
S.Mori
8
小沢昭一さんが、小説新潮に投稿された川柳の中から良い作品を選び出し、コメントを付けたものです。川柳はユーモアの文学だと思っていたのですが、これを読むと時代の記録にもなることが分かります。そのような句の例の一つが、「外務省やめて良かった雅子様」です。古びたところはありますが、この句を読むと当時のことが甦ってきます。「戦争をやめさせるため戦争し」のように風刺の強烈な句も好みでした。一番好きなのは「親に似ていくらか親子とも不満」2019/07/11
靖
2
言葉の感覚を養うため川柳、都都逸などに興味をもち購入。少し前の時事ネタ川柳だが皆達者で中々面白い。2011/05/23