吾輩は猫である

個数:1
紙書籍版価格
¥693
  • 電子書籍
  • Reader

吾輩は猫である

  • 著者名:夏目漱石
  • 価格 ¥693(本体¥630)
  • 新潮社(2013/05発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101010014

ファイル: /

"Reader"および"Reader"ロゴは、ソニー株式会社の商標です。

内容説明

中学教師苦沙弥先生の書斎に集まる明治の俗物紳士達の語る珍談・奇譚、小事件の数かずを、先生の家に迷いこんで飼われている猫の眼から風刺的に描いた、漱石最初の長編小説。江戸落語の笑いの文体と、英国の男性社交界の皮肉な雰囲気と、漱石の英文学の教養とが渾然一体となり、作者の饒舌の才能が遺憾なく発揮された、痛烈・愉快な文明批評の古典的快作である。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

373
吾輩(猫)が頭が良く可愛かったです。主人や寒月、迷亭の会話はくだらないものや今も変わらないような話題、哲学的で難しい話もあり夏目漱石の考えが凝縮されている気がしました。吾輩(猫)も哲学的や(何故か知っていて)難しい賢いことを言っていてこれも夏目漱石の思想だろうと勝手に感じました。猫目線からの人間は単純でくだらなく他愛のない些細なことで怒り勘違いしムキになったり哀れで不完全。人間ってなんだ?じゃないけれども改めて偉人も一般人も同じなんじゃないかと思いまいました。吾輩の最後のシーンは有名。2018/03/24

夜間飛行

264
我輩と自称する猫が、苦沙弥先生とその書斎に出入りする高等遊民の言動をつぶさに観察し、面白おかしく語る。ただし庶民の常識を基調として権威ぶらず、肩が凝らない。社会風刺も利いているが、それよりも雅俗混交の面白さに惹かれる。この心の柔らかさは古今集の権威を否定した子規の影響か。俗で狭苦しい日常と、雅な教養の擦れ合いを、明るい笑いと仄かな寂寥の中に描いている。一番好きな銭湯の場面を病院の待合室で読んだら、笑いをこらえるのが大変だった。中でもニーチェの下りは、西洋の超人を真っ裸の日本人に置き換えていて実に可笑しい。2023/12/16

のっち♬

205
中学の英語教師の家で飼われる猫が観察する『太平の逸民たち』の人間模様。風刺的・戯作的で滑稽味の効いた人物描写、諧謔に富んだ歯切れの良い文体は当時の著者ならでは。また、独特の鋭い洞察には彼の忌み嫌う探偵根性にアンチテーゼをかますようなドライさが貫かれている。持ち前の豊かな語彙による溢れ出るような言語演出は圧巻。「個性の自由を許せば許すほどお互いの間が窮屈になる」「吞気と見える人々も心の底を叩いて見るとどこか悲しい音がする」—自らの欠点も交えながら人間讃歌へ帰結させる幕切れは執筆作全体への往還性を感じさせる。2017/12/21

れみ

203
吾輩こと中学校教師・苦沙弥先生宅で飼われている名前のない猫の視点から描かれる様々な人々によって巻き起こされる様々な事件のお話。難しいところも色々あったけど先生はもちろん家族や訪ねてくる人たちがそれぞれにちょっとずつ可笑しいところがあって面白い。迷亭の図々しい感じと細君と雪江さんの会話が好き。最初の方みたいな他の猫との交流がずっと描かれていくのかと思ってたから少し意外。吾輩は猫っていうよりは小さいおじさんが猫の着ぐるみに入ってるみたいな感じ^^;だからあんな最後になったのか…とかつい想像してしまうなあ。2016/12/16

優希

182
凄く面白いです。一言でいえば猫の皮肉垂れ流しといったところなんですが、ユーモアたっぷりですよね。主人公が名無しの猫というところから笑えます。中学教師苦沙弥先生のもとに日に日に集う人々の様子を風刺たっぷりに書いています。講壇調でありながら、英国の社交界のような格調と皮肉の雰囲気がとてもいい感じでした。途中で小さな事件も起きたりするので最後まで飽きずに楽しく読むことができました。強烈なインパクトと愉快で痛快な文明批評にのめりこんでしまいます。こういう楽しい本って大好きです。2014/08/13

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/548397
  • ご注意事項