内容説明
植民地帰りの元警官ルークは、列車内で同席した老婦人から奇妙な話を聞いた。彼女の住む村で、密かに殺人が行なわれている、彼女はその犯人を突き止めたので警視庁に訴えに行くというのだ。くだらぬ妄想だと聞きながしたルークであったが、翌日なんとその老婦人が車に轢き殺されたというのだ……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雪紫
66
再読。「殺人は容易だ」。改めて読むと不可解な変死が続く村、魔女の言い伝えがわりとアピールしてるし、ゴードン扱い酷いな・・・。しかし、こんなに伏線露骨だったのに初見ギリギリまで気付かなかったの悔しい(探偵役の必然性含め)。おばさんにたいする評価といい、ミス・ピンカートンやウェインフリートの冴えといい、この村って実はミス・マープルの卵も多いのか・・・?2025/01/15
楽
61
1938年。23年に英国でドラマ化したものをNHKで視聴。ドラマの舞台は54年。冒頭の英ダービーの実際の勝ち馬はネヴァーセイダイ。仔のネヴァービートが種牡馬として日本に持ち込まれて成功したことで知られる。さて、ドラマの方だが、一応ヒロインであるブリジット(『力の指輪』でガラドリエルを演じたモーフィッド・クラーク)は『なぜ、エヴァンズに〜』のヒロインのようにおきゃんな感じではない。やたら二の腕がたくましい。犯人の動機はイカれているのだが、ミステリにおける「動機」とはなんぞや、ということを考えさせられる。2025/08/10
Tanaka9999
54
クリスティのノンシリーズ。解説によると探偵が男なのは珍しいとのこと。ノンシリーズの中になかったっけと思ったけど、大抵は語り手が男で探偵はそのヒロインか。最後まで読むと解説にちらっとかいてあった「探偵役の思い違い」というのが重要な意味を持つことに気づく。そうだと思って読めば犯人も目星がつくのではないだろうか。私は素直なので探偵と同時に騙されます。2020/06/17
yumiha
48
『ひらいたトランプ』などに登場したバトル警視が登場するからと選んだのに、364ページまで待たされた💦もう終わりやん💦主人公は元警官のルーク。でも、ポアロの灰色の脳細胞よりもオリヴァ夫人の直観に近い捜査なので、見事にミスリードしてくれはります。明らかにミスリードだな、と思う人物は排除しながら読んだけれど、ラスト付近の人物はもしや…と騙されちゃいました。解説にクリスティーを「欺しの天才」と呼ばれていたことが書かれていましたが、その献辞(?)に納得。お見事!2021/06/27
ごへいもち
37
イントロがとても魅力的だけど主人公たちはなんとなくヾ(ーー )。それとこの表紙はなんだかアメリカっぽく感じるなぁ2012/11/25