内容説明
おまえは誰だ? 僕から出て行け! 警備員の西岡は、新興宗教団体を過激な反対運動から護る仕事に就いた。だが着任当夜、監視カメラの目の前で道場が出火、教祖が死を遂げる。それ以来、彼の頭で他人の声がしはじめた。《あなたはだれ?》と訴える声。その正体は何なのか――? 井上夢人としてのデビュー作にして、ミステリー、SF、恋愛小説、すべてを融合した奇跡的傑作!(初版:1992年1月20日新潮社刊/講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
92
岡嶋二人の1人、井上夢人氏のソロデビュー作品。700ページも在るのだが問題なし、読む手が止まらずに一気読みである。西岡悟郎は、新興宗教団体の拠点を警備する仕事に就いたが、その夜道場から出火し教祖が亡くなる。仕事をくびになり東京に戻った彼は、頭の中に他人が滞在し会話が成立する様になる。教祖は殺害された可能性が在り、犯人は誰なのか、同時に頭の中に入り込んだのは、いったい誰なのか。SF的な設定の上に魅力的な謎をミステリとして展開する。更には哀切な物語へと変容する衝撃のクライマックス、綿密に計算された驚きがある。2020/07/29
chiru
62
頭の中で聞こえる『声』が誰か。教祖を殺したのは誰かの2つの謎を追うストーリー。怖いかと思ったら、西岡の反応と『声』自身が自分が誰か分からない設定がとても面白いです。衝撃と切なさが混ざったラストは、読み応えがありました。★42018/01/03
はらぺこ
55
ダレノガレナニガシの自伝的小説でもキン肉マンのブラックホールが主役の巻でもないけどNARUTOの心転身の術みたいなんは出てくる。 急に頭の中に誰かが存在して、その誰かから話しかけられたら主人公・西岡悟郎のようにイライラすると思うけど中に存在するのが可愛い女の子やったら露出狂的発想になればバラ色の人生やと思う。 結構分厚い本やったけどサクサク読めた。2013/11/24
kaoru
49
テンポ良く読めて、最後のオチで驚かされました。脳内会話?もそれなりに楽しめました。ただ、流石に長いし、主要人物の心の動きに共感しにくかったりもします。井上夢人ファンでなければ、あえておすすめしないかも。2017/04/18
えんちゃん
47
新興宗教団体の教祖が焼死。その時警備員の中に誰かの『何か』が飛び込んだ。頭の中にだけ聞こえる声。自殺か他殺か。炎の中の男の目は誰?ミステリーそして恋愛小説。男性に魅力感じなくても、文章で頁数が多くても、そんなの関係ねぇ、て感じで一気読み。ラストそうきたか!もう1回おさらいしなければ。井上夢人さん、読みやすくて面白いです。2018/12/05
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