おさん

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おさん

  • 著者名:山本周五郎
  • 価格 ¥693(本体¥630)
  • 新潮社(2012/11発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101134147

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内容説明

純真な心を持ちながらも、女の“性”ゆえに男から男へわたらずにはいられないおさん――世にも可愛い女が、その可愛さのために不幸にひきずりこまれてゆく宿命の哀しさを描いた『おさん』。芸妓に溺れ込んでいった男が、親友の助力で見事に立ち直ってゆくまでを描いた『葦は見ていた』。“不思議小説”の傑作『その木戸を通って』。ほかに『青竹』『みずぐるま』『夜の辛夷』など全10編を収める。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

じいじ

105
 66頁に凝縮された【おさん】が断然好きだ。切なく哀しい物語だが、面白いし、読み心地がよい。純真で可愛くて男好きする女・おさん。性に陶酔する一途な女の業を描いた著者の筆力が凄い。〈夫婦の情事は空腹を満たすものではない。一生の快楽をともに、お互いを結びつけ合うもの…〉と自覚しながら、おさんの心底を見抜けず逃避した男・参太の揺れ動く気持の描写も見事です。おさんと縒りを戻そうとする参太が女々しくいじらしい。しかし、その男心は理解できる。長編にして読みたい力作。他の9編も粒ぞろいの面白い作品です。お薦めの一冊。2016/08/13

ケイ

93
短編集。こんな無欲で自らに厳しい男がいるかと思うが、読んで清々しさと切なさが残る『青竹』。『夕靄の中』思わぬどんでん返しだ。話しかけてくる男の思いやりがいい。女性との話では、女性のタイプが古いのか、自分には女性側の心情が理解できず、今一つ気持ちが入り込まなかった。表題作『おさん』もしかり。ただ沼津からついてくる男の子が、不思議な存在感を醸し出していて良かった。『ちゅう盗(漢字変換できず)』は、芥川の作品のイメージが強く、比べてしまった。芥川のが圧倒的に好き。比べるものではないのだが。。。2015/01/29

nakanaka

87
10篇から成る短編集。いやー、良かったです。特に初っ端の「青竹」と最後の「饒舌り過ぎる」が良かったです。「青竹」では、真っすぐで全く欲のない主人公・余吾源七郎の生き方に涙してしまいました。また「饒舌り過ぎる」では、主人公二人の友情に引き込まれました。どの話も男女の仲が肝となっていますが、青春の恋や大人の恋、夫婦の関係などどれをとっても描き方が見事です。私自身の価値観と合う内容が多かった気もします。また「葦は見ていた」と「その木戸を通って」は終わり方が秀逸だと感じました。2018/01/15

ぶんこ

63
たまに思い出して読む山本周五郎さんで、苦手な短編集だったのですが、とても良かったです。しみじみと著者の優しさを感じる物語で、どの作品もジンワリエンドと言えるような余韻が残りました。「みずぐるま」「並木河岸」「その木戸を通って」が好みでした。2018/10/15

優希

56
じんわりと入っていくような短編集でした。それぞれの物語が味わい深く、何をきっかけとしていながら今日を生きているように感じます。2021/12/30

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