内容説明
ここはメンタル・クリニック〈なみだ研究所〉。新米臨床心理士として働くぼくは、波田煌子(きらこ)に悩まされていた。貧相な知識にトボけた会話。でもなぜか患者の心の悩みをズバリと言い当て、病を治してしまう。本当に彼女は伝説のセラピストなのか?そして今日もあの不思議な診療が始まった…!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
76
【サイコセラピスト探偵波田煌子シリーズ】第1弾。現役ながら、伝説のセラピストと呼ばれる波田煌子。しかし実は高卒であるが故に、準国家資格の臨床心理士の資格を持っておらず、学門としての心理学を学んでいない。推理や直感に近いのだけど、語り手で四角四面の大卒プライドの塊松本が驚く、治療を成し遂げる。クライアントの相談から、問題の真相を推理していくミステリで、予想出来るものから力業まで、気楽に楽しむのが良い作品だろう。次回作への予告が、ラストにオチの様に描かれており、面白いアイデアだなぁと改めて鯨氏に感激しました。2020/12/03
とも
25
★★★鯨統一郎には当たり外れがあるが、これは中途半端な位置づけで面白くないわけではないものの内容が小さすぎて一方的感が極まる。このシリーズはNG。2015/08/12
ヨーコ・オクダ
22
サイコセラピスト探偵シリーズ。クライアントが背負い込んだお荷物を結構アバウトなカウンセリングによって解放してしまう8つのストーリー。臨床心理士の資格を持つ新人・松本クンの教科書通りのお見立てはなぜか全部ハズれで、高卒、無資格の波田センセのひらめきがいつも正解というパターン。お気に入りは「夢うつつの涙」。夢と現実の区別がつかなくなってしまったという悩みをもつ女性の話。失笑するような場面もあるけど、トランスジェンダーのことを絡めてあって、なかなか奥深い結末。2022/06/07
たかなし
21
表紙が可愛い(ノ≧▽≦)ノセラピストさんが名探偵です。セラピストさんも可愛い。緩い会話で読んでいてフフッってなるような小説です。謎解きは若干強引なのがあってあれだけどまぁそのなかで好きなのは「夢うつつの涙」。2018/07/12
coco夏ko10角
20
シリーズ第1弾、8つのお話収録、メンタル・クリニック時代。先日『江古田ワルツ』を読んでこのシリーズに興味を持って手に。波田がまだ若い(幼い?)のにもう伝説なのがすごい。さくさくと。最後よかった。2017/08/03