内容説明
旧制高校に入学した頃の文学との出逢い、詩作、敗戦後の同人雑誌参加、大学中退、大衆雑誌記者時代、肺結核。芥川賞受賞までのエピソードや、父吉行エイスケのこと等著者の交友・文学の“核”を明晰な文体で瑞々しく回想。ほかに「拾遺・文学放浪」「註解および詩十二篇」を収める。
目次
私の文学放浪
拾遺・文学放浪
註解および詩十二篇
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
15
淳之介さんの半生記。もともとは詩を書いていらしたこと、「第三の新人」と呼ばれた作家陣が当時冷遇されていたことなど、新しく知ることが多かった。淳之介さんの文学に対する姿勢も書かれており、もう少し早く読んでおくべきだった。とても勉強になったし、名作。2013/03/06
fseigojp
11
正直いって、エッセイは面白いが小説は軟派すぎて読めません しかし、この自伝で、時々はチャレンジしようかとも。。。もてたようです うらやましい2015/07/30
かがみん
0
幼少期のこと、文学への目覚め、編集者の経験、そして芥川賞受賞から文壇へ。本書は、吉行の文学にまつわる様々な遍歴を収めた自伝である。かつてのエッセイや小説で書いてあることが散りばめられているため、個人的には新鮮味に欠けるが、吉行を知るうえでは必ず読むべき一冊であると思う。2013/08/06
koala-n
0
著者の幼少期から40歳くらいまでの半生を回想して綴られた自伝。『文学放浪』のタイトル通り、基本的には文学と自身のつながりを軸にして書かれているので、あまり女性関係などについては書かれていない。このおかげでか、著者の文学的な核の部分が(それほど読んだ訳ではないが)他のエッセイなどに比べて見えやすくなっているように思う。他の収録作品では、川端康成を論じたものが面白かった。(ちなみに、私は角川文庫版で読んだのだが、自伝以外の文学エッセイについては版によって収録作品に多少異動があるようだ。)2013/05/11
すず犬
0
十代の頃、吉行さんのエッセイに浸った時期があった。