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内容説明
報国の心ころをわするゝ婦人哉(ほうこくのこころをわするるおんなかな)―。京、大坂の太夫や舞妓の雅(みやび)を詠んだこの句の作者は、新選組副長・土方歳三(ひじかたとしぞう)。小説などでは、「バラガキ」「鉄の組織をつくりあげた男」などと描かれるが、その等身大の姿とは?土方が詠み残した 『豊玉発句集』(ほうぎょくほっくしゅう)などを読み解いていくと、俳諧に遊び、“ハイカラ”に憧れた、その人物像が浮かびあがる。一方、対照的な“バンカラ”の局長・近藤勇(こんどういさみ)。その実像も漢詩・和歌や、留守宅を気遣う誠実さにあふれる初公開の書簡から伝わってくる。無名道場出身ながら攘夷を志して新選組で活躍するも、幕府の瓦解と近代化の到来を迎えることに。その真っ只中で初志を貫こうとする近藤の純粋さと、近代人へと生まれ変わろうとする土方の時代感覚に迫る。文芸に励んだ、知られざる新選組を描いた注目の書!!
目次
第1部 剣術道場と学問(ダブルスクールとしての剣術道場 剣術道場の偏差値 近藤勇の学力 ほか)
第2部 俳遊・土方歳三(俳諧に遊ぶ土方歳三 土方歳三『豊玉発句集』 土方歳三をめぐる文雅 ほか)
第3部 近代の人・土方歳三(新選組と文芸 和装の近藤、洋装の土方 近代へのつながり)
第4部 新出、近藤勇書簡
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Die-Go
44
新選組副長の土方歳三の命日が近いので、彼がたしなんだとされる俳句の本を読んでみようと思い、購入。本書は土方歳三の俳句の解説よりも、その背景にある当時の文化・文芸・教育について詳しい解説がされていて、その点では興味深く読めた。また、辞世とされる「たとひ身は蝦夷の島根に朽つるとも~」がある種の伝説的なものであって、歌そのものよりも死に方自体が発句的、俳諧的だったという一文には感慨深いものがあった。★★★☆☆2016/04/30
さつき
31
お気に入りさんのレビューを拝見して読みたくなりました。土方歳三の豊玉発句集が解説付きで収録されているところが魅力的です。『燃えよ剣』でも句をひねる歳三の描写がありますが、実際は京に上る前にまとめた句集だろうとのこと。歳三だけでなく、近藤勇の漢詩や書簡も読めて興味深かったです。2016/06/17
まみこ
7
登録がないと思ってレビューを書いてなかったのですが、こちらに見つけたので書きます。この本は俳諧を通して土方の人柄に迫っているという、なかなか面白いアプローチで書かれた本です。ただ俳諧や土方に関してだけではなく、試衛館の実態や時代背景、近藤勇や松平容保に関する記載もあり、新撰組ファンには是非おすすめしたい一冊です。2023/05/23
おMP夫人
7
司馬遼太郎の影響力があまりにも大きいせいか、散々な評価を受けている豊玉発句集。その全41首が解説付きで読めるだけでも、ファンにはオイシイ1冊といえるのではないでしょうか。「少しくどい」や「技巧に乏しい」と辛口の意見が多いですが、良句・秀句の評価もいくつかあり、その目は公平です。「小説から都合よく引用したり、創作的解釈はすべきではない」という著者の意見には賛成です。近藤勇の漢詩にも多く触れられていて、近藤の武士としての教養、土方の趣味としての俳諧という両者の文学への姿勢の対比もあり楽しんで読めました。2013/01/22
京
5
土方歳三という人の俳句は、本当に小説で笑い話にされるような酷いものばかりだったのか?そんな辺りに疑問や興味を持った方にはオススメしたい本。当時の武士の教養のレベルや価値観、土方さん以外の和歌や漢詩なんかも読めるので、文学的な面で幕末を見れる面白い一冊かと。




