内容説明
田舎屋敷で催し物として犯人探しゲームが行なわれることになった。ポアロの良き友で作家のオリヴァがその筋書きを考えたのだが、まもなくゲームの死体役の少女が本当に殺されてしまう。さらに主催者の夫人が忽然と姿を消し、事態は混迷していく……ポアロが卑劣な殺人遊戯をとめるために挑む。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
224
犯人捜しゲームに招かれたポワロは、何かおかしいという知人の女流作家の勘だけで呼び出されたことに不平をいいつつ、自身感じるもやもやを手探りしていく。富豪の溺愛する夫人は服や宝石しか頭にない。一方、建築家と科学者は向きになって贅沢や華美を貶し、女秘書は「夫人はお洒落ですけど、それに劣らず抜け目のない方ですわ」と意味ありげにいう。屋敷の元の持ち主で今は寄宿している老婦人も何か隠している。ゲーム当日、被害者役の少女が本当に殺されてしまう。謎解きに少し無理があるけれど、全てのヒントが会話の中にある所など好みだった。2025/02/06
Kircheis
119
★★★★★ お祭り中に無害そうな少女が殺され、同時に富豪の美人妻が失踪する。そして、それらをポアロが解決するお話。 真相は少しぶっ飛んでいて読者が推理するには不親切な気もするが、個人的には許容範囲。まぁ自分は気付けませんでした(笑) 犯人はいっそ清々しいほどのゲス野郎。ここのところ同情の余地無しの犯人が続いているなぁ。 相変わらずオリヴァ夫人が出てくるとコミカルになる。さもアル中かのような噂を流され、怒るオリヴァ夫人はクリスティ自身を投影してる?2019/02/10
こーた
112
著者の分身=アリアドニ・オリヴァ夫人によって書かれた、余興としての〈小説〉。死体役の少女がほんとうに殺され、屋敷の夫人は失踪する。クリスティーが小説の内へ入りこみ、その世界の〈現実〉を取りこんで創作した〈虚構〉が、くるっと反転してふたたび〈現実〉の事件となって襲いかかってくる構造が愉しい。美しい田園風景と、それを求めてやってくる観光客。彼らを疎ましくおもう住民の言動には、英国人の排外主義が垣間見えておもしろい。土地と会話の内に巧みに織りこまれたパズルのピースを、外国人のポアロが正しい場所へはめこんでいく。2023/05/23
aoringo
86
お祭りのゲーム中に少女の死体が発見される。今回はオリヴァ夫人が登場。最後のポアロの謎解きまで犯人も動機も分からなかった。でも、これはそうとう想像力豊かな人でないと解けないのでは。でも読み終わってみるとちゃんと伏線も張ってあるし、しっかりミステリの形となっていてさすがクリスティでした。2020/01/22
いっくん
79
ポアロ長編27作目。オリヴァ夫人のお誘いでナス屋敷へ向かったポアロ。お祭りで、犯人探しの殺人の余興が行われて…。其々、みんなが違うこと言うから!印象って人其々違うから、ある人は馬鹿だと言うけど、ある人は実はしっかり者みたいに言うし、一体どれが本当なのか翻弄されてました。目眩しが巧み過ぎて、トンチンカンな方向に行ってたけど、真相がわかってから読み返してみると、大胆な伏線にしてやられた感でいっぱいです。面白かった(^_^*)2017/05/13




