内容説明
ポアロは巨額の財産をもつ老婦人から命の危険を訴える手紙を受け取った。が、それは一介の付き添い婦に財産を残すという問題のある遺言状を残して彼女が死んだ二カ月後のことだった。ポアロとヘイスティングズは、死者からの依頼に答えるとともに事件に絡むテリアの「ボブ」の濡れ衣を晴らす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kircheis
150
★★★★☆ ポアロ物の中ではあまり有名ではないかも知れんが好き。 犯人は最も意外な人、と言っても過言ではないでしょう。 本作は『ひらいたトランプ』の次の作品ということもあり、犯人の心理面から推理していく感じだった。その分あっと驚くトリック等はなく、ヘイスティングスは完全にお荷物となる。 個人的にはポアロ一人の方が面白くなった気がする。 なお、サブキャラのボブが最高!犬好きの自分からすれば、彼の存在だけでも名作決定!2018/12/23
つーこ
102
クリスティー再読月間。1〜2を争うくらい好きな作品です。いきなりグッと物語に引き込まれてしまう書き出しも、一番に犯人候補から除外してしまう意外な犯人も、好々爺一辺倒ではないポアロの冷酷な側面が垣間見れ瞬間も。読み終えて鼻息が荒くなるくらい好きです。さらには、愛犬に癒された彼女ならではの、深い愛情が注がれたボブが愛くるしいことこの上ない。できればポアロの相棒くらいにはなって欲しかったんだけど、彼はヘイスティングスの方が好きみたい・・。2020/10/06
Tanaka9999
96
犯人を推理する過程は普段からわからないのだが、特にわからなかった。ただ、一人ぐらいは登場人物一覧を見直さないとわからない人がいるのだが、今回は把握できた。2018/04/02
NAO
84
依頼主は死んでしまっている。しかも、病弱だったという老人にありがちな死に方で、自然死と考えられているといわれ、遺族に異存がなければ、もはや、ポアロの出番はない。ところが、ポアロへの依頼を考えた人間がその数か月後に亡くなるというのはやはりどうしてもおかしい、とポアロは考える。自信家ポアロならではの考え方だ。怪しい人物がどっさり、少し胡散臭げな人物たちが少々。怪しげな人にばかり気を取られていると、ちょっとしたヒントを見過ごしてしまうことになる。 2019/10/06
kaizen@名古屋de朝活読書会
81
古い版を持っていたのに、この新版を、図書館で借りてきてしまいました。 旧版にくらべて380ページが520ページに増えているのは、 文字が大きくなったことと、 解説がなかったのが解説がついたことの両方が原因のようです。 解説は、結構辛辣で、類書にないタイプであるので必読だろう。 本文は、遺言状にまつわるどたばた。 ポアロものの一つとして必読だと思う。2012/05/03