内容説明
聖夜に惨劇が! 一族が再会した富豪の屋敷で、偏屈な老当主リーの死体が発見される。部屋のドアは中から施錠され、窓も閉じているのに、犯人はどうやって侵入したのか? 休暇返上で捜査にあたるポアロは被害者の性格に事件の鍵が隠されていると考えるが……クリスマス的趣向に満ちた注目作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちなぽむ@休止中
195
読んだー♡面白かったー(*´ ˘ `) 大金持ちで偏屈な城に住む老人が惨殺された。現場は密室。犯人は屋敷にいた家族の誰かなのかー。うーん、正統派♡たまりません。トリック云々より家族の人間模様に焦点をあてて丁寧に描いてる感じがすごく好み。クリスティ2作目だけど「そして誰もいなくなった」より個人的には好きかな。 解説にあったように「クリスマス・キャロル」と二重写しに読めて、クリスマスらしく家族のあたたかみも感じられるラストで大満足の1冊でした。次はいよいよオリエント急行読む♡♡楽しみ(〃´-`〃)♡2019/12/11
nobby
155
まさに鮮やかでお見事な解決!「訊問でなくて会話を」「家族の事情より故人の性格を」繰り返し語っていたポアロの言葉が実に心に響く。クリスマスに起きた富豪の屋敷での惨劇。被害者の偏屈な仕打ちや莫大な遺産故に、一族達には誰しも憎悪や大金など動機あり。一夜に起きた殺人一つだけで、対話を中心に長編としてガンガン読ませるのがスゴい!それでいて、最後には物の見事に様々な道具や事象が結びついての密室看破するのだから畏れ入る…二転三転しながら明かされる犯人も、強引とも思いきや伏線きちんと張ってあるからグウの音も出ないな(笑)2020/01/31
あきぽん
147
デビュー100年のクリスティの、ほっこりするタイトルとは裏腹な王道殺人ミステリ。一族が集まると、殺人とはいかなくても理想とは裏腹に色々難しいですよね。でもラストで収まるべきところに収まるのでメリークリスマス。2020/12/14
Kircheis
143
★★★★★ この本は絶対クリスマスに読もうと決めてた。 季節物かと思いきや、かなりの本格ミステリー。 お約束のように性格の悪い金持ちジジィが殺され、犯人を当てる話だが正直全く分からなかった。 確かに後で読み返すと数々の伏線があり、どこかで疑惑を感じてもおかしくはなかったのだが。 謎のピラール嬢とスティーブン・ファーがあまり活かされてなかったのだけが少し不満。 でもクリスマスに暖かい部屋でおもしろい本を読めたのは想像以上の幸せでした笑2018/12/25
ちょろこ
131
当たり前だけれどちゃんと犯人いたのよね、の一冊。聖夜を象徴する赤。一族が集う屋敷は血の赤 一色に染められた。偏屈な老当主はなぜ殺されたのか…誰もが心に秘めた当主への複雑な思いを絡ませ、一気に読ませる物語だった。当たり前だけれど、犯人はちゃんとそこにいたのよね…うまく隠れていたなぁ…とただその思いで心はいっぱいになる。ヒントは散りばめられていたんだろうな。重みを感じられるポアロの言葉ひとつひとつが印象的。誰もがポアロの語りに耳を傾けたくなる、そんな魅力を改めて感じたクリスマスの惨劇、面白かった。2019/12/20