内容説明
秘書・タイプ引受所から派遣されたタイピストのシェイラは、依頼人の家を訪れた。無数に時計が置いてある不思議な部屋で待っていると、柱時計が三時を告げた。その時シェイラは恐ろしいものを発見した。ソファの横に男性の惨殺体が横たわっていたのだ……死体を囲む時計の謎にポアロが挑む。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こーた
193
ポアロ@住宅街!隣近所を巡りながら、噂話を聞いて歩く。この街、なんか変じゃない!?といっても動き回るのは警部と諜報部員で、ポアロは安楽椅子に座り小説を貪り読んでいるのだけど。そのポアロの口を借りて展開される推理小説論がすこぶる愉しい。大仰な事件の仕掛けと、それの解決される顛末は、古今東西の小説で繰りひろげられる、奇妙奇天烈なトリックを嘲笑うかのよう。晩年のクリスティーは、自ら創りあげたミステリの枠組みそのものを破壊しようと腐心していたようにおもえる。枠の、本の外側へ!ポアロだって時には外へ出たくなるのだ。2023/07/02
財布にジャック
64
これは、正直乗り切れなかったので、読むのに物凄い時間がかかってしまいました。ポアロの登場も活躍も、後半の方にチラッとしかないし、無駄に長いので疲れてしまいました。犯人は意外だし、すっかり騙されてしまったので酷評する資格はないんですけど、数々のポアロの名作と比べると、あまり好みではないみたいです。2013/12/09
ann
58
クリスティにはいつも裏切られる。だから次も読みたくなる。学生時代から。まだ未読あり。わざと残して来た甲斐があった。2019/09/15
優希
53
ポワロもの。死体と時計の謎を華麗にポワロが解き明かすと思いきや、今回のポアロは安楽椅子。しかも時計と殺人の関係が分かりませんでした。つまらなくはないのですが、ちょっと残念な作品です。2023/09/08
Tanaka9999
52
久しぶりに最初から引き込まれる舞台装置だった。動機の部分(人に成り代わっているから、成り代わった人を知っている人に会いたくない)は他にもあったような。舞台装置はめくらましで関係ないのは、よくあるパターンかもしれない。それにしても二重の解決編があるとは。2018/12/19