角川ホラー文庫<br> 白い部屋で月の歌を

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角川ホラー文庫
白い部屋で月の歌を

  • 著者名:朱川湊人【著者】
  • 価格 ¥671(本体¥610)
  • KADOKAWA(2014/12発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784043735013

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内容説明

ジュンは除霊のアシスタントを務める少年だ。様々な霊魂を自分の体内に受け入れる際、白い部屋に自分がいるように見える。ある日、少女エリカと白い部屋で出会ったジュンはその面影に恋してしまったのだが……

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェルナーの日記

303
著者・朱川湊人氏は慶應大卒後、出版会社に勤務しながら執筆活動するも、なかなか芽が出ずにいた苦労人。しかし、作風をホラー作品に換え、2002年にデビューする。ホラー作品といえば、エログロなイメージを抱きやすいが、本作『白い部屋で月の歌を』は、イノセンスで透明感のある世界が広がっている。いわば、ホラー版"イノセント・ブルー"といった感じだろうか!?また、『鉄柱(クロガネノミハシラ)も、通常のホラー作品とは一線を画している読み応えのある仕上がりになっている俊作。2021/04/19

KAZOO

102
中編2作が収められています。表題作と「鉄柱」で両方とも新しいホラーのような感じで楽しめました。表題作では語り手がどのような人物か気になっていましたが最後に明らかになります。「鉄柱」の方はこの鉄柱がある地域自体が問題となります。読んでいて三津田さんと澤村さんとをイメージしました。2021/05/15

アッシュ姉

86
朱川さん9冊目。今までとはまた違った雰囲気が味わえた2編でした。「白い部屋で月の歌を」は始まりと終わりの幻想的な美しさが格別。タイトルも素敵。主人公の境遇に切ない思いをしていたところの予想外のオチにはびっくり。まだまだ修行が足りないです。日本ホラー小説大賞短編賞受賞作ですが、『都市伝説セピア』の収録作品の方が私は断然好み。「鉄柱」は面白かったけど、朱川さんらしさがあまり感じられなかったかな。安楽死がテーマの小説を立て続けに読んだ後ということもあり、しみじみ感じ入ることもなく、読むタイミングを間違えたかも。2016/04/21

hit4papa

85
タイトル作は、霊魂を体内に入れ除霊のアシスタントをするジュンの物語。「白い部屋」に霊魂を閉じ込め鉗子で除去するイメージが面白いですね。男に刺され魂が抜けた女子に恋してしまったジュンに、庇護者の霊媒師は…。おっ!となる意外で残酷なラストが良い!「鉄柱」は、人生最良の日に自死=満足死を選択できる町の物語。不倫がバレて左遷された男。優しさに溢れる町に違和感を感じる男とその妻は、やがてミハシラと呼ばれる鉄柱での縊死を寿ぐ習慣に気づくのだった…。哀しいラストを迎えますが、死と生について考えさせられる作品です。2021/02/11

ポップノア♪@介護奮闘中。

80
ホラー大賞を受賞した表題作よりも「鉄柱(クロガネノミハシラ)」が良かった。陸の孤島のような久々里町に越してきた雅彦と妻の晶子。誰もが優しく二人を迎え入れるが、この町には独特な慣習が存在した。逆L字型の鉄柱の存在意義を知ると、世話好きで人懐っこい笑顔の町内会長も次第に不気味に見えてくる。しかし、後半では切なく同情も。一体誰がそれを設置したのか。それとも人ではない誰かか。朱川さんの小説は幾つも拝読したが、今作の後味の悪さはトップクラスだった。町名もそこから来ているのかと気付く。田舎の神事はつくづく恐ろしい。2020/08/16

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