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内容説明
江戸時代の民衆ははたしてどのような医療を受けていたのか。資料を丹念に見直すことで、いままでの歴史学では見えてこなかった、意外に長生きだった老人たち、村で働く多くの医者たちの姿が浮かび上がってくる。百姓たちは、消費生活を楽しみ、健康にも関心を持って、薬草や温泉を生活に取り込み、護摩壇に焚く香料・まじないの力までをフルに活用する。その一方で、科学的・合理的な考え方をする新時代の医者たちがあらわれる。江戸の医療を具体的にいきいきと描き出す「新しい民衆史」。
目次
第1章 江戸時代の福祉
第2章 山野草で薬をつくる
第3章 温泉・鍼・灸
第4章 修験者の役割
第5章 病を考える新しい目
第6章 幕末・村の医療
終章 明治の世相
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
5
「島根県温泉津…温泉屋庄兵衛には年ごとの「入湯人覚帳」がのこされている…文化十四年の「入湯人覚帳」によると、年間入湯人 二万一六六人 入湯料受取額 五九四貫八五文 である…明治・大正のころまで人々はしきりに温泉へ湯治に出かけていった。村の百姓たちは米や味噌を背にして旅籠に泊まり、自炊して一回りも二回りも滞在し、一日に幾度も温泉につかった。それぞれの温泉のしきたりにしたがって湯治をしたのである…戦前まで、村人たちは農閑期をむかえると、夫婦や知り合いが手をたずさえて湯治場へ出かけた」2017/09/23
菜の花
0
江戸時代の佐渡にみる、医療と福祉の実態。2010/02/11
いちはじめ
0
江戸時代の医療の実態について、少し讃美しすぎている気もするが、なかなか興味深い2003/11/20