内容説明
芸能界デビューと騙されて、十五歳からソープランドで働かされていた少女の事件を綴った「吸血鬼プロダクション」、四十八歳の父親を刺殺した高一少年の心の闇に迫った「実父を殺した少年」、心の寂しさからか求められるままに男の欲求を受け入れ続けた「乱れた中学生」ほか、茨城県警拝命四十年の元刑事が、自ら捜査に当たった少年事件の数々から厳選し、二十四の掌編を書き下ろした。犯罪の低年齢化が社会問題となる中で、巷に渦巻く「なぜ彼らが」という疑問への回答がここにある。
目次
吸血鬼プロダクション
アルバイトの罠
ワイセツ少年たち
まず親の教育から
お嬢様の転落
入れ墨をされた少年
十四歳の犯罪
乱れた女子中学生
天才的泥棒少年
中学生情婦〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yusuke Kitada
2
元警察官が経験した様々な少年事件の概要を記した本。親の姿勢など、考えさせられることも多かった。2021/05/26
チビさんた
2
時代は変わっても犯罪の根底に有るものは稀薄な人間関係や虐待、イジメなど変わらないのですね…子供が授からない輩ですが文中にあった「子が有るも嘆き。無きも嘆き」は印象に残る言葉でした。2012/04/05
wankousan
1
元警察官だけあって詳しく判りやすかった。少年犯罪は色々と複雑な事が多く難しいと思った。2021/05/31
茶色の猫
1
再読。 読む本がなくて、次の本を見つけるまでの‘つなぎ’的な感じで選んだのに、読み切るのにものすごく時間がかかってしまった。あっさり読み切る予定だったのに…元刑事が書いたドキュメンタリー掌編?です。少年事件を集めたお話。また忘れて読んじゃいそうだけど、、、2016/07/31
うさっち
1
元刑事が自ら捜査にあたった少年事件の中から厳選した24話。子供が万引きで捕まっても謝るどころか「こんな安物を盗んで」と親が店側にお金を渡して解決しようとしたり、逮捕されても反省よりも「捕まってしまった」ことだけ後悔する子供や自分のした行為が犯罪になることを理解できていない子供など…。報道されていなくても少年事件とは思えないようなものも多く恐ろしい。2012/11/04