内容説明
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決してきちんとは「聞こえない」にもかかわらず、「聞こえているはず」という視線の中で、生きていかざるを得ない子どもたちの苦しみを私たちは本気で考えたことがあったのだろうか。(本書より)
約10年にわたる論考の数々によって聴覚障害児教育に潜む諸問題を分析し、読者をさらなる思考へと誘う。
著者自身による詳細な注が、本書の特徴です。
目次
序章 たったひとりのクレオール-はじまりの問い
第1章 インテグレーション再考(インテグレーションの現状と課題
難聴児の自己形成方略-インテグレーションの「成功例」とは何だったのか ほか)
第2章 学習論(聞こえない子どもたちは何のために勉強するのか
聴覚障害児の学習とことば ほか)
第3章 障害認識論(障害「受容」から障害「認識」へ
聴覚障害児教育における障害認識とアイデンティティ ほか)
第4章 リテラシー論(リテラシー問題を議論する際の前提条件
聴覚障害児教育における言語観と学力問題)
終章 障害認識論とヒルバーグ的立場-どうして私たちはそんなことをしたのでしょう
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Shun
8
この本を読み進める事は、自分の人生を振り返る事でもあった。この著者は難聴者の心情をよく理解しておられる。 読み進めるうち、「自分だけではないのだ。」という感情がこみ上げてきて、少し救われた気分にもなった。自分の障害に対する認識が変容したし、より客観的に分析することができた。 「クレオール」でありながら「たったひとり」とはどういうことなのか、読み進めながら思慮を巡らせるべし。2018/08/13
とまと
6
聴覚障害児教育に携わる人だけでなく、万人、中でもアイデンティティを確立しかねている若い人たちにおすすめしたい。専門書であり随所に言語学や哲学の知見が織り込まれているが、私にも理解できるほど噛み砕いて説明してあり、面白く読めた。この本を熟読することで自分の持つ様々な価値観を改めて検証するための一歩を踏み出せる。私は自分の人生のテーマは何なのか、障害者としてもしくは境界人としてその在り方を肯定して生きるために考えていかなくてはならないことは何かヒントを得ることができた。2016/09/29
かにこ
1
ものすごくはっとしました。聴力に障害がある人の口話教育については、なんとなく大変そうだけど、努力をして乗り越えてるんだなあ…とか簡単に考えていたけど、努力という言葉でそれ以上考えてなかったと思い知らされました。聞こえない人は聞こえる人に合わせるという常識が、揺さぶられます。2012/09/29
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