生きなおす、ことば : 書くことのちから 横浜寿町から

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生きなおす、ことば : 書くことのちから 横浜寿町から

  • 著者名:大沢敏郎【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 太郎次郎社エディタス(2014/12発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784811807119

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内容説明

日本の三大ドヤ街の一つ、横浜寿町。教育の機会を奪われ、読み書きができないために地を這うように生きてきた人々がいる。ここで識字学校を主宰する著者と、文字を学ぼうとする人々との交流、彼らが書いた珠玉の言葉。

目次

二枚の写真――まえがきにかえて

1章 呼びもどす、ことば
心ふかく人間のこととして
一歩をきざむ人びと

2章 突きやぶる、ことば
たすかったからよ
識字のあゆむ道すじ

3章 見つめかえす、ことば
オモニたちの「声」
うるおいの一滴――李明徳さんのこと

4章 生きなおす、ことば
ことばの原風景
はじまりの地に佇つために――若い学び人へ

精神の荒れ野から――あとがきにかえて

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

slowpass

7
筆者は、横浜寿町で金曜日の18時から21時までの3時間、誰がきてもいい識字教室を作った。フレイレと違い、被抑圧者たちが社会変革を目指すところには焦点を置いていないようだった。識字を通して、それぞれの人の止まった時間を動かしていくありようについて書かれた本なのかと思う。あとがきに記されたように「精神の荒れ野」にいた筆者もここでの出会いと関わりを通して、誰にも必要とされていない存在と思っていた自身を回復させていく。2018/08/30

sasha

5
当たり前すぎて意識したことはなかった。文字を読み書きすること。識字率99.0%を誇る日本。だが、文字を覚える機会を奪われた人たちも存在する。横浜・寿町の識字教室を通じ、著者が出会い、読み書きを手に入れた人たち。淡々とその人物像と、彼ら・彼女らが書いた文章が手を入れずにそのまま掲載されている。読み書きが出来ないことで失って来た面を、取り戻す為の努力。真面目に、真剣に識字と向き合い文字を獲得して行った人たちは失ったままだった部分を補えたのだろうな。掲載されている文章に、震えた。2014/05/29

邑尾端子

2
国民の識字率がほぼ100%に近く、読み書きができるのが当然の現代日本社会において、読み書きが出来ないというのは想像を絶することである。公教育からこぼれた人々が集う横浜寿町の識字教室、その授業内容と生徒の直筆文章が紹介された一冊。筆者の歴史観には正直異論もあるが識字教育に対する熱意は素直に尊敬する2014/12/29

いっちー

2
国際識字年だった1990年、何度か、大沢氏が実施している識字学級にお伺いしたことがある。誰でも、出入り自由だった。しかし、その場は、まさに、文字を奪い取られた人々にとって、文字を取り返す場、人間性を取り返す場でもあった。初めて参加した時には、なんでも書いてよいと言われたけど、何も書けなかった。文字を知っていても、その場に圧倒されて、文字を刻むことはできなかった。 数年前に、大沢さんが他界されたことを娘さんから聞かされた。もう一度、参加したかったと悔やんでいるときに、この本を知り、購入。当時が蘇りました。2013/02/20

yumiha

2
「文字のよみかきのできなかたときは まいにち かべにむかて にらめこしていました」「文字の読み書きができなかったときは、女の人を好きになってはいけないと思っていた」そんな識字学級で学ぶ一人の作文に、著者の大沢さんにも分からない言葉「おかさん」があった。作文を書いた梅沢さんが「机から身をのりだしてのぞきこみ、部屋が割れんばかりの大きな声で『おっかさーん』と叫んだ」とき、大沢さんは、胸がドキドキして、「ああ聞かなくてよかった」と思うのである。こんなにきっかり思いの詰まった言葉を、私は、獲得してきたのだろうか?2011/08/02

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