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内容説明
「個の自由」が大手を振るう現代社会。愛のかたちは多様化し、家族のしがらみは否定される。それでも私たちはつながりを求める。たとえ嫉妬や憎悪が渦巻こうとも、この不安な「私」は他者との身体的・情緒的な関係なくしては保てない。だからこそ人は言葉を交わし、心を通わせることで、世界と深くかかわっていこうとするのだ。事実婚、夫婦別姓などの動きを視野に入れながら、個人および社会にとっての結婚・家族、その延長にある国家というまとまりの意義を問い直す。
目次
第1章 「情緒と身体」、この複雑なる関係
第2章 「ここにいる私」による言語論へ
第3章 情緒的なつながりの可能性と限界
第4章 なぜ私たちは結婚するのか
第5章 家族は解体しようとしているのか
第6章 国家というまとまりをどう考えるか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Naota_t
1
★3.3/事実婚、夫婦別姓などを存在論、言語論から紐解くのが興味深い。「いる」「ある」の違いを細かく推論するのも「言語論とは何か」を理解しやすかった。近親姦の禁止の理由は、遺伝子に悪影響を与えるからと私は信じていたが、著者曰く「家族関係の認知構造そのものが破壊されるから」という。また、夫婦別姓に反対する理由が、複数の子供を持った場合の不都合としている(夫婦別姓を主張する福島瑞穂氏を「じつに思想的な視野のないアホ」と言うのは大人気ないと思う)。著者が自身のことを「思想職人」とするのは、言い得て妙だと思った。2023/02/22
みい⇔みさまる@この世の悪であれ
1
☆×3.0…結構批判の絡む本で、穏やかな口調ながらもかなりきつめの批判をしているのが印象的でした。終盤にかかるまでは哲学哲学していますので至極読みづらい印象を受けました。そこそこ読めるのはそこからで事実婚・夫婦別姓の盲点はなるほどな、と思いました。とっつきにくいのがネックです。2011/08/13
スノーシェルター
1
私が何気なく考えていることを、詳しく難しく説明してくれた。「いる」と「ある」については、面白い話だった。2010/05/26
絵具巻
0
港区立三田図書館で借りました。2013/12/01