角川文庫<br> 追憶列車

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角川文庫
追憶列車

  • 著者名:多島斗志之
  • 価格 ¥594(本体¥540)
  • KADOKAWA(2013/09発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784043690022

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内容説明

第二次大戦末期にフランスからドイツへ脱出する列車で出会った日本人少年と少女の淡い恋心を描いた表題作、主婦の足下に忍び寄る謎の女を追う「マリア観音」、清水の次郎長の三人目の妻、お蝶が男女のもつれから死に至るまでを描いた「お蝶ごろし」など、魅力の五篇を収録。予想を快く裏切る、情感豊かな作品を厳選した傑作短篇集。「マリア観音」「預け物」「追憶列車」「虜囚の寺」「お蝶ごろし」収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

rakim

16
背景も持ち味も全く異なる短編集ではあるけれど、登場人物それぞれの「深層」を読者の心に刻みつけていくような鮮やかさを感じました。内容はモノトーンのような暗さと重さがあるのだけれども。2013/09/02

雪丸 風人

9
謎の女の影に幸せな家庭が揺れるサスペンス仕立ての『マリア観音』、娘たちの言葉遣いに悩む母親のあまりに意外な一面を描いた『預け物』など、多彩な短編が収まった一冊。どれも良かったですが、日露戦争のさなか、捕虜を受け入れた四国松山の日常を描いた『虜囚の寺』には驚きました。本国から送らせた金を好き放題に使ったり、妻子を日本に呼び寄せたりする捕虜の将校は保養客さながらですね。一方で骨のある男たちもいて、収容所長らとぶつかり合いながらもお互いに認め合うさまが清々しく感じられました。(対象年齢は14歳以上かな?)2020/02/07

莉玖

9
久しぶりの多島斗志之さん。そして短編を読むのは初めて。どの作品も面白かったですが、"お蝶ごろし"が特によかったです。結末が意外!意表を突かれた!2019/02/10

雨猫

9
5つの短編集。「預け物」は「私たちの退屈な日々」にも収められていた。気に入ったのは「追憶列車」戦争末期、連合軍が仏入りし在仏日本人がベルリンへ逃げる列車の旅での淡い恋と悲しい出来事。「虜囚の寺」日露戦争で日本の捕虜となったロシア人将校セルビンの不屈の魂と日本人収容所長の友情にも似たような関係。「お蝶殺し」清水次郎長の妻お蝶が殺された理由。多島さんやっぱり素晴らしい。☆4つ2014/10/26

ひねもすのたり

7
しばしば文芸ミステリーと称される多島作品ですが、短篇が5作収められた本書はさらにミステリー色の薄い作品集です。 長篇においては良くも悪くも叙情的な作品を手がけていますが、本書で言えば大戦末期の欧を舞台にした表題作がそれに該当します。 同盟国である独の戦局悪化に伴い東に逃れる列車に乗り合わせる日本人の男女と一人のユダヤ人。少年の目を通して絶望的な状況にある少女の姿を描き出していきます。 夜更けのベルリン駅・・唐突すぎるラストに戸惑いますが、それは異国で時代に翻弄された彼らのそれに似ているのかもしれません。2014/04/06

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