内容説明
在日中国人の犯罪は計画的で巧妙、凶悪だ。まず狙うのは、出稼ぎホステスやオーバーステイの中国人といった、警察に駆け込めないワケありの身内。その標的を食いつぶした今、ターゲットは手近で無防備な日本人に。人身売買、ピッキング窃盗、パスポートやクレジットカードの偽造…帰国した残留孤児が、実は日本人ではなかったという驚くべき「偽家族」の実態や、それに絡む蛇頭のビジネスの手口も暴く。長期潜入取材を敢行して犯罪の裏側を暴きだした、戦慄のリポート!
目次
第1章 在日中国人の棲む街(歌舞伎町に集結する中国人;ホステス襲撃事件 ほか)
第2章 中国残留孤児偽家族(妊婦殺人;蛇頭ビジネス ほか)
第3章 入国管理局VS.不法入国者(密航サバイバル;ピッキング窃盗団 ほか)
第4章 結託する日中黒社会(偽造パスポート;国境に開けられる「穴」 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
81
在日中国人の闇に迫った作品である。 二十世紀末の新宿の夜の怖さが丹念に描かれる。密入国、偽中国残留孤児、偽装結婚、 ピッキング強盗…多様化する在日中国人の犯罪を克明に綴った労作だった。2022/12/04
rosetta
21
2001年刊03年文庫化。当時の中国人達が「昔は良かった」と言っているのは馳星周の『不夜城』が出た1996年頃の事なのか。難民や残留孤児と聞くと無条件に同情してしまうが奴らはそれすら偽装する。今の歌舞伎町はすっかり安全な街になったと思う。それは慎太郎のお陰と言うよりも日本に魅力がなくなったからだろう。爆買いや観光地で日本のインバウンドを支えるのは今やチャイナだ。本の中でこれから取るべき選択肢の1つとして経済的に後退しても安心を選ぶ道が提示されるが、日本は期せずしてその道を進んでしまったわけだ。2020/04/29
takao
4
ふむ2023/05/07
Yasutaka Nishimoto
1
2001年刊の2003年文庫化。2000年の連載というから、取材は1990年代の後半。いまから15年以上前でこのような酷いありさまで…と考えると、現状どうなっているのか目も当てられない。すべての中国人がこうではないのだが、本書を読んだ後ではフィルターがかかってしまう。どちらかというと、フィルターが取れて目が痛い。残留孤児の帰国事業にまで、偽装の手が及んでいたのかと思うと、国を挙げてマスコミを挙げての熱狂は何だったのか。確かに、不況が続く昨今、金になることには敏感でありたいというのは当然であろうが…2015/11/01
丰
0
20030510