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内容説明
徳川家康の陰のブレーンとして、その知謀を天下取りのために如何なく発揮した本多正信。79歳で没するまで、約40年という歳月を家康の頭脳の一部として送った彼は、まさしく真の補佐役だったといえる。三河一向一揆で主君に反旗を翻した男が、流浪の日々を経て帰参したのは、40代になってからであった。自らを不忠の臣とする思いを払拭できない彼は、その後は家康を主人としてではなく、師として仰ぐことを誓い邁進する。甲州計略、江戸の町づくりと家臣の知行割りなどに手腕をふるい、君臣の二人三脚は「水魚の交わり」といわれるまでにいたる。そして、豊臣氏から天下を奪い、徳川幕藩体制を盤石なものに築き上げていく。本書は、一度は背いた男を最高のパートナーにした主君と、献身的な忠誠で才能を遺憾なく発揮し続けた補佐役の生涯を、歴史に取材しつつ“組織と人間”の問題を描き続けてきた著者ならではの筆致で、みずみずしく描いた歴史小説である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Book Lover Mr.Garakuta
14
図書館本:社長と社長補佐の様な関係の中に、現代に通じるものを感じた。大器晩成の家康に正信がタッグを組んで、二人三脚で江戸の礎を築く。2021/02/20
玉野ゆうき
2
街造り等、仕事は出来るんだが狭量な人。 読んでいて家康と正信の関係は「水魚の交わり」とは違う感じがした。最後は、大久保忠世の子にたいする仕打ちで家康に見限られたと正信は思ったが、家康は心の底ではずっと一揆勢に加担した事を許していなかったのでは?と思う。家康はあくまで正信を必要な間だけ用いて不要に為ったら遠ざけた様に見える。2019/06/28
よっ!
0
家康の頭脳となり、嫌われ役となった本多正信を描く。テンポよく読めるが再読するかどうかといわれれば、たぶんしない。★★☆☆☆2010/11/20
おかポン
0
本多正信の視点による話。どちらかといえば気難しい主君でもある徳川家康に、彼が葛藤しながらもその覇業を補佐役として全うする姿に何かを感じたい。2012/01/24