内容説明
産科医の著者は、自然なお産と子どもたちの成長をみつめるうち、出生前診断はいのちの選別であると実感する。臨床遺伝医・長谷川知子氏へのインタビュー、ダウン症をはじめ障害のある子どもを育てる両親との座談会を通じ、いのちをはぐくむ本質を考える。出生前診断を迷う妊婦さんや、赤ちゃんに障害を持つ可能性を告げられた両親に読んでほしい本。
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目次
1章 いのちを産む(出生前診断 ダウン症の子どもたち ほか)
2章 お母さんがよかったから生まれてきた(病気だけではなく人を見る ダウン症は体質 ほか)
3章 いのちを、ありがとう―座談会・私たちの体験を語る(ゆっくりと着実な成長の中で 無知から来るショック ほか)
4章 子どもが選んで、子どもが決める(子どもは授かりもの いのちの選別 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しげ
16
どんな子であっても、目の前にいるその子自身をしっかりと見つめ、触れ合い、考えながら、一緒に過ごしていくことがベストなのだと感じました。あるお母さんの「ダウン症のあるこの子を受けとめるとき、いちばんのハードルは自分自身でした」という言葉が印象に残りました。自分自身といういちばん高いハードルさえ跳び越えることができれば、他のハードルはみんな跳び越えていくことができる。とても心強い言葉でした。2013/08/26
速魚
4
キレイごとじゃない本。 障害よりも受けとめる親の資質を問われている気がした。 知らなくてよかったと思うか 無知が一番コワいと思うか 読んで良かったと思う。2012/05/25
てんぷら
2
おもしろかった 出生前診断の話というよりはダウン症がいかに病気ではないかということについて書かれていたが また運命的な話が多くもう少し倫理的な話が欲しかった 話としてはどこまでが差別でどこまでが区別なのかが問題だと思う 話の中ではそれはダウン症に対する過度のひいき的な差別では?と感じたりと難しい しかしやはりこれ以上医療は「神の領域」に入ってはいけないと思う これからの先進医療が恐い2012/11/12
佳月
1
写真がたくさん載っていて、ダウン症の子が元気に生きていることをより身近に感じられた。 産科医や親など複数の立場から出生前診断について書かれていて、それぞれの苦悩や喜びを知ることができてよかった。自分が出生前診断を受けるかもしれない状況になったらもう一度読み返したい。 4章の不妊治療の項では、医療が発展していく中で、技術を使ってどこまで人の要望に応えていくか、倫理的に考えるべきだが、そのことについて考えるスピードと技術が進化するスピードが合っていないんだろうなと改めて感じた。2021/02/22
しょ
1
出産前診断で命を選ぶことは、出産してから命を拒むことと何が違うのか? 真に弱き命であれば、胎児は自ずから死産となる。強い命だからこそ産まれてきた。育てられる親と見込んだからこそ、産まれてくる。助産婦と障碍児の母たちからのメッセージ… みたいな本2012/04/23