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内容説明
いま、新聞は深刻な危機を迎えている。
若者には背を向けられ、読者の不信・批判は高まり、インターネット時代への対応策もつかみえていない。
困難の底流に何があり、活路はどこにあるのか。
朝日新聞での長い記者活動・経営経験をふまえ、人びとの生活や価値観・メディア観の変化を見すえつつ、広く期待され信頼される新聞への道を考える。
若者の離反,読者からの不信・批判,インターネットへの対応の未確立….危機に立つ新聞に活路はあるのか.朝日新聞での長い経験をふまえ,人びとの生活やメディア観の変化を見すえて,広く期待される新聞への道を考察.
目次
第1章 浮き沈みの末に―新聞の昨日(新聞の黄金期と高度成長;新聞の曲がり角と保守回帰;新聞離れと若者の生活;政治面主導型の弊害)
第2章 変化にたじろぐ―新聞のいま(「人権」の反乱;「表現の自由」絶対論の後退;「平等」幻想の崩壊;「権力」観の変貌;様変わりする記者意識;新聞倫理綱領の制定とその後)
第3章 生き抜くために―新聞の明日(二一世紀前半の日本と新聞;ネット時代に及び腰の新聞;ネット報道の強さと弱さ;問われる新聞の「常識」;明日の新聞)
補章 二一世紀の「戦争」と新聞
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
14
僕は、親が亡くなったら新聞は取りません。月々数千円がもったいないので。僕が何より新聞が嫌いなのは、この間の世論調査報道。今も、世論調査で国民生活の満足7割には納得いかない。田中康夫元長野県知事が、記者クラブを廃止するとか言っていたのを思い出した。あれは正しかったのではないか。馴れ合い、烏合の衆では、いい報道はできないと思う。そして、個人が情報発信する時代にあって、プロである新聞記者は素人に負けられないだろう。僕がまだ新聞を取るのなら、ローカル紙ぐらいか。親はそれを死んだ人のチェックに使っているだけだが。2013/08/11
i-miya
5
★中馬清福『新聞は生き残れるか』(岩波新書)(2003.04)2005.08.25 P000 部数の伸び 60-70年代 新聞専売制度 「販売競争の成果」 洗剤等拡販材料 ルール 破る 正常化宣言 また破る 正常化再宣言 軍縮協定と似ている 日清戦争前後 東京日日新聞 「新聞小説」 「戦時通信」 中央集権化ー東京 戦争のたびに増える読者 中等野球、囲碁、将棋 スプロール化 2005/08/26
Taizo
3
2003年時点の著作。著者は元朝日新聞の記者。若者の新聞離れといった新聞業界の「現状」に警鐘を鳴らし、生き残るには何が必要かを論じた一冊。主張は「新聞が国民の知る権利の奉仕者になれば人々は新聞を再評価し戻ってきてくれる」というもの。個人的には情報が溢れている2021年現在、事実を知るだけでは読者はついていけない気がしている。その背景にまで踏み込んでほしいなと。以前であれば紙面の制約でできなかったものもWebであればそのような制約はない。強みである取材力と編集力を活かし、新たな時代の知る権利を満たしてほしい2021/10/31
スズツキ
3
前半の段階ではなかなかだと思いましたが、後半になるとどうにも……。新聞記者の自己批判をこめた愛ある新聞論だけども、おそらくかなりの改革派であろう著者でも価値観自体は旧来のものとなっている。新聞が国民と乖離しすぎた、これからは柔軟な路線でいこう、という提言から終盤では行政のこの政策は絶対に潰さなければならない、みたいな話が多々出てきて、そういうのをやめていくという話ではなかったのですか……という気持ちになりました。2017/03/26
風見じじい
2
高度成長時代に多くの人が中流だと思い、子供に学歴を付けようとしたことが新聞の急伸の原因だったと言う考えは新鮮でした。バブルが弾けてそれが幻想だと解った事が新聞読者の減少だとすると、高度成長期が異常だっただけで、普通に戻っただけではないでしょうか。原発問題で大手マスコミがあまり批判出来なかったのはやはり多額の広告収入を得ていたからなのでしょうね。新聞の多くが政治家や官僚からニュースを得ていることは結局、当局のちょうちん持ちであることに気が付いた人が増えているのではないでしょうか。2013/10/10