内容説明
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奈良大和を愛し、半世紀近く撮り続けた写真家・入江泰吉は、『万葉集』を学ぶことで古代の人々と花との深い関わりを知り、その美しさを再発見して「花は究極の美」であると考えるようになった。彼がファインダー越しに捉えようとした万葉びとの心に、日本文化の碩学・中西進のエッセイで迫る写文集。
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目次
萌え出づる春(春の訪れ 馬酔木の大和 春の花―梅と桜 斑鳩の春 水と女)
夏野ゆく(夏の花 紫草 剣の池の蓮葉)
入江泰吉エッセイ(万葉の花を訪ねて 万葉大和路)
秋立ちぬ(萩のふるさと 高円の秋 秋の花 もみじ)
冬ごもり(冬の花 吉隠陵 つらつら椿 春のあし音)
花のいのちを捉える入江作品
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちゃちゃ
108
万葉の里、奈良をいつかゆっくり歩きたい。歴史ある大和路、斑鳩の里、山辺の道、古墳群の飛鳥…。春の可憐な菫、気品漂う梅や優美な桜。生命力が横溢する夏は、橘、藤、かきつばた、蓮。秋は何と言っても万葉集中最も多く歌に詠まれた萩。蕭々たる冬枯れの景色の中に咲く椿。入江氏の写真は、万葉人がかつて愛でたであろう花々を、実に美しく味わい深く切り取って心に沁みる。本書は、入江氏の写真と万葉集研究の権威である中西氏の解説とが響き合う得がたい写文集。自然や草木花に己の心情を重ねて詠んだ、いにしえ人にしみじみと思いを馳せて読了2022/05/15
しゅてふぁん
53
奈良の風景の中で咲く花と、それが詠まれた万葉歌とを共に楽しむ一冊。万葉の時代には艶やかで華やかな大輪の花というものはなく、どれも可憐で清楚で儚げな花ばかり。それらを四季折々歌に詠む、その感性が素敵。今の日本人もきっと受け継いでいるもので、私の中にもあるそれを、古歌に触れることによってこれからも磨いていきたい。2019/10/14
しゅてふぁん
46
再読。久しぶりに万葉の歌を読む。己の心の内を素直に読んでいる感じがしてやっぱり万葉集はいいな、好きだなと再確認。萩に寄せる大伴旅人の望郷の念だとか、弟である大津皇子を悼んで大伯皇女が詠んだ馬酔木の歌とか、家持お得意の撫子の歌なんかを大和路で咲いたそれぞれの花の写真と共に楽しめる贅沢な一冊。何度でも読み返したい。2023/05/14
井月 奎(いづき けい)
44
入江泰吉の写真に中西進が文章を寄せる。そして入江泰吉のエッセイもいくつかあり(この写真家の文章がまたいいのです)、まあぜいたくな文庫本です。詩、それも定型詩というのは不自由なものですが、そこを乗り越えて千年生きたうたの力をため息の出るような写真と歌、花の解釈を添えて読ませてくれます。繰り返しになりますが、まあぜいたくな文庫本です。読書はやめられませんねえ。2022/04/10
Shoji
27
万葉集に歌われた大和路に咲く四季折々の花の写真と情景の解説集です。入江泰吉さんの写真と中西進さんの文、最強タッグだ。この本を片手に万葉故地の野や畔を歩いてみたくなります。旅行ガイドや観光ガイドでないにも関わらず、旅情をかきたてられる一冊でした。2023/09/25
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