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内容説明
芭蕉紀行文の最高峰『おくのほそ道』を読むための最良の一冊。豊富な資料と詳しい解説により、芭蕉が到達した詩的幻想の世界に迫り、創作の秘密を探る。実際の旅の行程がわかる『曾良随行日記』を併せて収録。
目次
発端
旅立ち
草加
室の八島
日光
那須野
黒羽
雲厳寺
殺生石・遊行柳
白河の関〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
54
研究者の方から、「おくのほそ道」を読むなら角川ソフィア文庫がいいと奨められた。義父と婿である穎原退蔵・尾形仂両先生の訳注が素晴らしいと言う。確かに、本文の丁寧な訳注だけでなく、本文評釈、発句評釈、曾良随行日記、解説、歌枕解説索引、語句索引、発句索引など、とても充実した内容で、あっち引き、こっち引きしながら丁寧に読む時間が本当に楽しかった。改めて、この紀行文学が「フィクション」なんだと実感する。「行く春や鳥啼き魚の目は涙」が「蛤のふたみに別れ行く秋ぞ」の「かるみ」に昇華してゆく様子が手に取るようにわかる。2020/05/03
瀧ながれ
26
本文と本文評釈、さらに「曾良随行日記」がまとまっているため、あれこれ見比べられる一冊(よって読み切るのにめっちゃ時間がかかる)。本文は帰郷後に書かれ、芭蕉による演出がかなり加えられているってのは有名だけど、それを曾良の日記を読むことで、演出の意図など読み取ることができるのがおもしろい。芭蕉さんは洒落た人だな、笑顔が見えるようだ。ただ、某作品に書かれてたけど、日付と天候と出来事を淡々と並べただけの曾良の日記は、シンプルな「記録」に徹していて退屈です。まあ、彼の生真面目さを透かし見ると、充分楽しいですけどね。2019/04/29
双海(ふたみ)
19
元禄2年(1689)江戸からの旅立ちにあたり「行く春や」と詠んだ芭蕉は大垣の地で「行く秋ぞ」と詠んで旅を終える。実際の旅を日々記録した曾良の「随行日記」との相違が示すように、『おくのほそ道』は旅の事実からは独立した一つの文芸作品である。芭蕉が体験的事実からどのようにして詩的幻想の世界を描き出していったか、その創作の秘密を探る。 2014/06/04
テツ
18
松尾芭蕉のおくのほそ道。実際の奥州への旅にインスパイアされて綴られたそれが現実に辿った旅の姿とは異なっていることは有名だけれど、曾良による『随行日記』と丹念丁寧な現代語訳のおかげで現実と仮想の世界の隔たりがぼくのような素人にもよく解る。そう。これは旅を終えてから数年をかけて書き上げたフィクションの紀行文。現実とはうっすらとした膜一枚で隔たられた幻の旅だからこそ美しい言葉でこれほどまでに溢れかえる。久しぶりに読みましたが単純に良いなあと思いました。自分でも旅をしていろいろなものを目にしたくなりますね。2020/05/12
アイナ
11
私は旅好きなので、「漂泊の思いやまず」という芭蕉の気持ちがよく分かります。旅するように暮らせたらいいのに。「閑かさや岩にしみ入る蝉の声」夏本番のけたたましい鳴き声ではなく、初蝉の頃ジーという鳴き声を芭蕉は聞いたようです。ちょうど今くらいの鳴き声かもしれません。情景が目に浮かびました。この本は原文、現代語訳、俳句解釈と順番に載っているので分かりやすいです。簡潔でリズム感のある芭蕉の文章を、声に出して読みながら楽しみました。2016/07/12
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