内容説明
「……こどもを中心にしているのに、こどもを感じられない。理解しようとしているのに、わからない。どこかで、今の家族は、ただ横にいさえすれば人間同士、ごくあたりまえにふと気づきあうようなことに、いちばん気づきにくいような関係をつくりあっているのではないか。だから、ちょっと問題が起こると、さあたいへん。専門家以外にすがる人がいないなんて大騒ぎするほど、簡単に閉塞観にとらわれてしまう。身のまわりに起こっているいろんな問題や心配(病気のこと、障害のこと、不登校のことはもちろん、もっとありふれた日常生活のことなど)をおたがいにだしあって話しあったり、質問にこたえたりしながら、私の家族観を話してみたいと思う」(石川憲彦)
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目次
第1巻(まもる家族―人間は弱さを抱えた存在だから、たがいに守りあうために「家族」が生まれた はぐくむ家族―育つとは、混沌とした循環系のなかに生き、周囲とともに変化していく過程 わかつ家族―別れるということは出会い、それも痛みをはらんで出会っていくこと)
第2巻(家族が呼び出すもの―まえおき 「戒律」―混乱にまとまりを与える、いにしえよりの掟 家族療法―崩壊の時代に脚光を浴びた家族をめぐる理論 「殺戮」―事件、テロ、戦争、ふたたび呼び出された私 「希望」―人間はいつも、見失い、破滅し、再生する)