内容説明
日本経済の牽引車か、“諸悪の根源”か。毀誉褒貶の著しい日本の総合商社の巨大な組織とダイナミックな機能、日本的体質と活動のすべてを商社マンとその家族の日常生活とともに圧倒的な現実感で描く。世界に類のない機動力を持った日本の総合商社の企業活動の裏側で展開されるなまなましい人間ドラマを通して、ビジネスマンにとっての“幸福な人生”とは何かを興味深く追求した話題作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
109
《アリデアリ、トンボデアリ、鬼デアル》。経済小説の大家・城山三郎氏の代表作。ロッキード事件や水俣病が社会問題としてクローズアップされた1976年発表。巨大商社で『兵隊』として働く男達のドラマは、まるで戦国小説のような趣きだ。左遷、単身赴任、葛藤、不遇……に翻弄される者あり、退職の際に「バンザイ」と叫びながら、『毎日が日曜日』の日々に途方に暮れる者あり。ワークライフバランスなんて言葉は微塵もなかった昭和の人間ドラマ。「挫折を知らないことは一つの挫折」が信念だったという城山氏の筆致は冷徹で、一片の甘さもない。2016/01/07
じいじ
95
まさに、毎日が日曜日なので読んでみたくなった。理屈抜きに面白いです。発行は昭和54年、昨年65刷されたロング・セラーが、それを証明しいます。定年まであと9年、正義感に燃える、仕事盛りの商社マンの物語。生き馬の目を抜く激戦の地で、奮闘する仕事一筋が本筋。でも、この小説がヒットしたのは、それに止まらずに帰国子女の問題、夫の単身赴任による夫婦コミュニケーション問題など…家族の抱える問題点が、丁寧に綴られているのが、この小説に厚みをもたせていると思う。現役のころに何故読まなかったのか、いま悔いています。2022/07/07
獺祭魚の食客@鯨鯢
74
元企業戦士たちは会社で粉骨砕身で働き続けた末「サンデー毎日」などと揶揄される悲哀を味わいました。 定年後も働き続けなければならないという義務感は仕事をlabor(苦役)とみる西洋の労働観によると思います(「シーシュポスの岩」のように永遠に徒労を強いられる)。 しかし高度経済成長時代の日本人はもっとmission(使命感)を持ち主体的に働いていたように思います。 一旦立ち止まってチェンジオブペースをして、それから働き始め金をもらって健康維持できると考えられれば「濡れ落葉」にもならずに済みます。
バイクやろうpart2
72
『毎日が日曜日』題名に惹かれ読み始めました。ゆるい内容と思いきや、日本の総合商社がハイリスク・ハイリターンの事業を企画し、その事業の最前線を生きる各々商社マンの葛藤が生々しく描かれてました。極限で悩み葛藤する場面と『毎日が日曜日』のギャップが読み手を釘付けにさせます。いい本に出会えてよかったです。2018/05/30
ケイ
69
企業戦士という言葉がずっと浮かんでいた。バブルよりずっと前、戦後から高度経済成長時代の商社マンの戦いだ。コンピューターが叩き出す適材適所とは…。主人公の沖、定年退職後を満喫しようとする笹上、同期の十文字、赴任先で必死に働いても、子供の日本語、妻とのすれ違いなど、彼等を襲う問題はブラックユーモアかと思えるほどだ。しかし、彼らはその苦難を困ったなあと言いながらも、なんとか切り抜けていく。そこに日本の強さがあったのだろう。最後に金丸が沖にかける言葉がいい。確かに、次だ、次だ、兵隊がいてこそだ。2014/05/11
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