内容説明
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本書でとりあげる主な作品は、煽情小説の『上流階級のレディ』(A Lady of Quality, 1896)、ロマンス小説の『ローリーの娘』(That Lass oLowries, 1877)、『ある女の意志』(A Womans Will, 1887)、『シャトル』(The Shuttle, 1907)、児童文学の『小公子』、『小公女』とその原作の「セーラ・クルー」、及び『秘密の花園』などである。これらの作品の中で『上流階級のレディ』のヒロイン、クロリンダ・ウィルダスは大胆不敵な女性の姿を最もあからさまに示している。そこでまずはクロリンダについて述べ、当時の社会の規範や女性観を探ることから始めたい。
目次
1章 煽情小説-「家庭の天使」への挑戦(煽情小説とドメスティック・メロドラマ
『上流階級のレディ』-現実と夢)
2章 ロマンス小説-ひねりをきかせたヒロインたち(バーネットが好んだ「シンデレラ方式」とヒロインの原型
『ローリーの娘』-勇敢なジョーン
『ひとつの統治を抜けて』-殉教者バーサ ほか)
3章 チャイルド・ロマンス-家庭物語に吹き込む新風(家庭物語・少女小説からロマンスへ
『小公子』-無邪気で気高いセドリック
『小公女』-怒りを湛えるセーラ ほか)