内容説明
「公団住宅を強制退去処分になった私たちは、とうとう所持金も底を突き、新宿区役所を頼ることになった。妻子を預かってもらい、外へ出てみると、新宿の街は思っていた以上の寒さだ。長い夜になりそうだ、私はジャンパーの襟を立てながら、そう考えていた」。幼い娘と高次脳機能障害を持つ妻と離れての、格闘の日々の中で何を思うのか。――作家である以上、住居を失っても浮浪者にはなりたくない。そう言い聞かせ、半年余りの路上生活を生き抜いた作家が再生を誓って書き上げた衝撃のノンフィクション!!
目次
序章 路上に出る日
第1章 喪失(公団住宅を強制退去になる;路上で煙草を拾う ほか)
第2章 彷徨(注文原稿が没になる;出版社でのアルバイトが決まる ほか)
第3章 暗転(吉祥寺で殴られ屋を始める;仮眠は電車の中で ほか)
第4章 光明(新しい出発;不思議な出会い ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ましろ流
1
病で入院中に読んだ。人生において何か一つでもパズルが外れると、負の連鎖が始まる。やる気とか根性とかで乗りきれない運命が巡りくると誰もがホームレスに陥る可能性がある。しかし人は、失ってから幸せに気づく生き物だ。自分は、ホームレスを一方的に不幸だとは思わないし、全てを失ったが故の達観もあるかもしれない。作者は、ホームレスといういわば社会の谷底に落とされたが、過酷な現状から更に過酷に自らを律し、今の自分の現状を冷静に判断出来る人間だ。幸せとは人から判断されるものではなく、自分がそう思えるかどうかが肝心だと思う。2012/11/24
ももんた
1
誰でもホームレスに転落しうる恐ろしさ・・・を当初は感じたものの、筆者が何となく社会とずれているのは元々なのか、それとも生活が彼を蝕んだのか・・・。いずれにしても、社会はこの作品が書かれたときからきっと何も変わっていないのでしょうね。2010/05/25
あやぴょん
0
自分の周りにもしいたら、私はどんなふうに振る舞えるのだろうか?神山さんは最後まで肯定し続けていたけれど・・・・。2013/03/23
月夜
0
ホームレスの人たちの人生 それぞれの事情 もし自分がそうなったら・・ しかし 私は自分が大事だから 精神に異常をきたす人間とはそもそも付き合わない。作家で食ってけなければ 作家にならない。彼が そうまでして彼女との生活を続けたいのなら それは 愛の物語であり その本が一冊かけるのではないだろうか?まったく失礼を承知で言うが 人生の言い訳 を延々聞かされた気分である。2012/08/06
いとのり
0
ホームレスの生活が実にリアルに描写され、グイグイと引き込まれました。さらにホームレス終了後の「後遺症」もなるほど。そうかぁ・・・と納得。でも実際のところはよくわかりませんが、ちょっと「自己防衛」的な言い訳の描写が気になりました。奥さんも子供とおそらくうまく生活できていただろうに・・・2020/08/03
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