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内容説明
「菊乃井」の3代目、京都に住みはじめて18代目にあたる生粋の京都人である著者が、ときに客観的に、ときに舌鋒鋭く、常に面白おかしく、変わらない京都の流儀を語る。
目次
第1章 京料理株式会社
第2章 料亭家業
第3章 料理人、村田吉弘
第4章 よそさん
第5章 京都人の流儀
第6章 京都の作法
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さいたまのたぬき
32
京都人(老舗と呼ばれるようなお店)の考え方を わかりやすく解説してくれる著者の村田さんは「菊乃井」のご主人。 京都の料理界をはじめ生活のしきたりについて わかりやすく書かれています。 そんな中なるほどとおもったのはお茶漬けの話。 村田さんによればそれは京都がはるか昔から大都会で いろいろな権力に寄り添う人々がいきかう街だったため あまり波風を起こさないための知恵だとしています。 今日本は物事をはっきりさせる欧米風に突き進んでいますが 1200年以上の歴史のある京都風の生き方を考えてみてもいいのかも 2014/08/28
てっしー
6
京都人にまつわるあれやこれやを、有名料亭の主人の立場から分かりやすく解説しています。よそさんの立場から見たらやっかいと思われる彼らの特徴も、きちんと意味があり合理的であることを具体例や論理的な解説で説得してくれます。有名な「お茶漬け食べていきなはれ」の話が、実は誤解に基づくものだったとは!その他、彼の見る京都人と比べた東京人の姿が、何とも皮肉たっぷりで秀逸。何度も顔が真っ赤になりました。2013/09/04
夏野菜
6
菊乃井の村田さんのエッセイ。何かを極めた人の言葉には含蓄があります。何より言葉に氏のスタイルが如実に反映されていて面白い。『京都流ビジネスの真骨頂は「退路を作りながら前進する」にあります』、『料理は実に寛容性に富んでいます』、『結局レストランを楽しむということは、ええとこを一生懸命見つけることですよ。食べ物を楽しむということは、楽しいことをしゃべりながら、美味しいねと言うて、ええとこを評価しながら食べることですよ。それが文化人であり、文化性がたかいということです』2013/04/21
海月
3
前半は京料理、後半は京都の感性やしきたりといったことが書かれている。京都人の感性は難しい。一時の隆盛よりも、長く愛されて存続することの大切さ、『身の丈』というものを教えてもらった気がする。京の心もまた伝統のひとつと感じた一冊。2011/06/06
Shiba-Me
2
割合納得。「京都ではこう」と書いてあるけど、私、そんなん知らんし。てなこともある。この方、ええとこの家のひとなんやろなぁ。家の格ってあるしなぁ。あ、良くない店と思っても、直接文句は言わない、てのは、確かにそうかも。二度と行かなければ済むことやし。2016/08/27