内容説明
何度電話しても、彼は出ない。志保(しほ)は、敦雄(あつお)の気持ちが自分から離れていることに気付いていた。彼の心を取り戻したい。忘れることなんて出来ない。彼を独占したい。……方法は一つ。彼の骨を、砂時計に閉じこめてしまうこと――(「ひと時の砂」)。表題作を含む、愛(いと)おしく、そして凍り付くような16作品。『ぶたぶた』作者が描き出す、もう一つの代表作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダイ@2019.11.2~一時休止
104
短編集。ぶたぶたシリーズとは異なりホラー色が強い。表題作や冷蔵庫の中で何かがイイ。2015/03/01
うまる
38
【マン読】ぶたぶたさんでお馴染みの、矢崎さんのダークな短編集。ほの暗くちょっと怖い話で面白いです。愛憎伴う人間模様も良いと思います。こういうのも書かれていたとは驚きでした。最初から結構ブラックでしたし、ラストの表題作もなかなかキてますね。どれも良作で甲乙付け難いですが、逆転の発想が効いてる『毒』が一番好きでした。2022/06/07
キラ@道北民
27
あの『ぶたぶた』シリーズの作者が描く恐怖小説集。16編の短編ということもあり、モダンホラーですが一気に読了。迫り来る恐怖ではなく、読後背筋が寒くなるものが多かった。さらに、自分の中にも共感する闇がある事に凍える。暖かいものを飲んで『ぶたぶたさん』読もう。2015/09/29
coco夏ko10角
18
ブラックやホラーな16の作品収録の短編集。そういえばぶたぶたシリーズでもこの人もしぶたぶたんに出会っていなかったら…な人はたまにいるものな。『冷蔵庫の中で』『ひと時の砂』がよかった。2021/03/30
kozy758
10
現代社会に棲息する個と気がまとめあげられている。ひたひたと満ち溢れる狂気がシャープで筋が通っている。表紙の「傑作小説」の文字は少し恥ずかしい。2015/03/08