講談社文芸文庫<br> パルタイ・紅葉狩り 倉橋由美子短篇小説集

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講談社文芸文庫
パルタイ・紅葉狩り 倉橋由美子短篇小説集

  • 著者名:倉橋由美子【著】
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  • 特価 ¥499(本体¥454)
  • 講談社(2011/11発売)
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  • ISBN:9784061983137

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内容説明

前衛党入党から離反までを、不毛な性愛の日々に重ね、内的手法で描いたデビュー作「パルタイ」以降、日本の文学風土から自由な、徹底した虚構を追究。そこからは、イメージの豊饒さと方法意識に貫かれた〈反世界〉が現れる。プロメテウスの罰を再現した「囚人」、白昼夢にたゆとう「夢のなかの街」等、初期作品から怪奇掌篇、寓意譚に至る9篇を収録し、著者の孤高なる文学的歩みをたどる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

59
初期から後期に至るまで、各時期の短編を収録した一冊。とはいえ印象に残るのは初期の「パルタイ」と「囚人」。学生運動華やかなりし頃、よくこんな作品が書けたなという前者とカフカ的世界観が濃厚に残っている後者、どちらも観念的で忘れがたい。しかしこう並べられると著者の軌跡というものがよくわかるな。政治的なものから内面的なものへの回帰というか。それでいて著者独特の持ち味は変わっていないというか。桂子さんものの「紅葉狩り」に至って、仙境に遊ぶ心地まで上り詰めている気がするし。著者を味わうならこれ以上ない一冊でした。2021/08/07

藤月はな(灯れ松明の火)

19
「パルタイ」は全共闘時代が舞台なのか、組織にいる者は却って組織のことなど気にしないという上滑りな実情を描いています。「囚人」はプロメテウスとカフカの「流刑地にて」、SFの「合成美女」はカレル・チャペックの戯曲、「ロボット」を連想します。現実に限りなく、近いのに小説ができる「幻想」という淡いで覆い、神話や寓話を換骨奪胎して心を捉える物語を生み出す倉橋さんの筆力に脱帽するしかありません。2012/05/23

佐島楓

13
「霊魂」に萌えた私は少数派なんでしょうか・・・。この短編だけで購入した価値があったと思えました。霊魂の形状から手塚治虫先生の「火の鳥」に出てくるムーピーという不定形生物をイメージしてしまって(本質的にはまったく違うと思うけれど)、ツボにはまったというか。すごく色っぽい短編です。他作品も、カラーががらっと異なった詰め合わせみたいで、幅広い作風に幻惑されます。2011/12/31

ふくしんづけ

8
出だしから強烈。『蛇・愛の淫画』のときの印象から劣らぬ密度の濃さ。停滞がない、流れ続けているという感覚。ストーリーに大きな動きがあるというのでなく、文章が流動的なのだ。綴られた一文から、あらゆる可能性を模索し、無意識に精査し、次の一文へと、緩むことないく。文から文の長い連想ゲーム。「パルタイ」「囚人」は、前述の短編集の印象とほぼ同じ、その後「合成美女」「盧生の夢」と段階的に作風の変化が見られる。「夢のなかの街」は帰郷を果たしたわたしの、街にまつわる記憶と呼んでいたら、わたしを媒介に蘇る街の記憶へ変貌する。2021/06/27

3
表題作「パルタイ」は新潮文庫版で既読。学生運動の話であると記憶していたのだが、あまり具体的な記載はなく、どこか奇妙でよくわからない話だった。その他の短編もそれぞれ趣の違う奇妙な話だった。2023/02/15

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