ちくま文庫<br> カラダで感じる源氏物語

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ちくま文庫
カラダで感じる源氏物語

  • 著者名:大塚ひかり【著】
  • 価格 ¥825(本体¥750)
  • 筑摩書房(2015/08発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480037787

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内容説明

『源氏物語』はエロ本である。「病気好き」「ブス好き」「コンプレックス」だらけの男たち、「ストレス過多」で、「拒食症」で、その中で自己を見出していく女たち。時代背景、経済事情まで解説し、さらにオナニーにも使えると喝破する。どんなにエロティックかを暴きだす、気鋭の古典エッセイストの『源氏物語』論。

目次

第1章 感じるエロス(病気する体 感じるエロス ほか)
第2章 源氏物語のリアリティ(ブスでもない美女でもない女の魅力 等身大の男達 ほか)
第3章 五感で感じる源氏物語(感じる視覚 感じる触覚 ほか)
第4章 失われた体を求めて―平成の平安化(感じる経済 感じる不幸 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ユウユウ

29
古典エッセイストの大塚節がまさにひかりの如く冴え渡る。最低だな!と思いながら読み返したくなる不思議ですね、源氏物語。あちこちで同じこと言ってたなと思う話も多いけれど、軽妙な語り口のせいか、さらさら読めてしまいました。源氏物語を格調高い古典だと思いたい方にはオススメできないおもしろさです。2019/02/23

宇宙猫

19
挫折。源氏物語は書かれた当時は文学作品というより人気小説だったということを ちょっとお下品に書いた本。”ハーレクイーン”+”ラノベ”って感じかしら。個人的にはもうちょっとウィットが欲しい。2016/07/03

大阪のきんちゃん2

13
大河ドラマ「光る君へ」関連本として読みました。が、内容は別の意味で面白いものでした。 単行本は1996年刊。源氏物語は高校時代に谷崎潤一郎訳を読んだのが最初でしたが、学生時代に大塚サンの本書を読んでいたら解釈が全くぶっ飛んでいたのではw!? これは物語や作者の解説というよりは、平安時代貴族の生態を分析した社会学の本なのでは…作者経歴を見ても日本史学を専攻してたみたいだし。 病気(大半が心の病)・ブス論?・劣等感などが満ち溢れて幸福感があまり感じられないが、それがかえって滑稽にうつるのが貴重な体験でした。2024/10/15

双海(ふたみ)

10
実に大塚さんらしいタイトルだ。思わず読むのをためらってしまうが、なかなか示唆に富む指摘が多い。たとえば、著者曰く『源氏物語』は密室のエロスだという。密閉された空間での秘密の情事をカギ穴から覗き見るようだと。たしかに『古事記』や『万葉集』は明るくて開放的なエロスだから『源氏物語』とはタイプが異なると思う。また、「女を見る」ことがその女と寝ることとほぼ同義であった平安時代に、身体描写のある女君とない人が分かれるという。身体描写の少なさは、そのままその女君への光源氏の性的興味の薄さを意味すると。2023/02/01

あいくん

7
☆☆☆☆光源氏が架空の人物だとは私も思えません。宇治を訪ねて、「ここで浮舟と薫は愛し合ったんだ」と感慨に耽りました。唐津の玉鬘古墳を見て「ここに玉鬘は隠れていたんだ」と思いました。源氏物語は架空の物語のようにはわたしには思えません。 大塚ひかりさんは、源氏物語には人の人生に入り込んで息づくだけの確かな世界観がある、千年の時を越えて人の体を動かすエロスとリアリティがあると言っています。本当に源氏物語に惚れ込んでいます。 2016/07/04

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