中公文庫<br> 白鳥の歌なんか聞えない

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中公文庫
白鳥の歌なんか聞えない

  • 著者名:庄司薫【著】
  • 価格 ¥838(本体¥762)
  • 中央公論新社(2011/12発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784122041011

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内容説明

死にゆくもの滅びゆくものを前に、ふとたじろぐ若い魂。早春のきらめきの中に揺れる、切ないほど静かで不思議に激しい恋の物語。シリーズ第三話。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

20
前作「赤頭巾ちゃん気をつけて」が大好きだったのでようやく読む。打ちのめされる。高校生くらいの頃、私はこんなふうに物事を考え、悩み、苦しんでいただろうか。もう取り戻せない日々を思った。今の若い人にもっと読まれるべき小説。主人公がとても好きだ。2011/08/30

楽駿

18
図書館本。遠い昔、流行っていた頃は、傲慢な私は、軽薄な感じで手に取らずに終わってしまった。本の中で紹介されていて、今更ながら、手に取ってみた。若い頃に読めば良かった。若さゆえの融通の利かない純粋な頑固さ。周囲の暗雲を(この場合は、死)肌で感じ取り、怒ったり、困ったりする姿は、多分、私にも経験はある。恋愛小説の形をとってはいるが、哲学書に近い。身近な人の死が、近しい年代になって、怯えや影にはならないが、むしろ、当たり前になってしまうのが、残念に思う。2017/06/24

しんこい

10
再読。草食系の元祖と思って読み返したが、必ずしもそうじゃなかった、70年直前に理性でコントロールしあまり反抗もせず左翼でもないノンポリはやっぱり時代の変わり目だったのかね。主人公や由美にかくも影響を与える死期間近の知の巨人の影響が何なのか、初読みの時も今回もわからない。だ2018/10/06

rokubrain

9
うまい、いや、すごいかな。 内面的な自分自身との戦い。 思春期だけにある成長の重さ深さ。 今回の本題は、死が身近なところにあるときに起こる心の変化を純粋に捕えようとする精神的なもがき。 まじめで多感な青年が経験する精神過程をこれほどまでに描写できる著者の才能がすごい。2018/01/22

かみしの

6
死というのは絶対であって、それゆえに圧倒的だ。沈む夕日に、白鳥の歌に魅入られたら、人は変わってしまうのかもしれない。その恐怖を克服するために、生き急ぐのかもしれない。それは果たして「生」にとってよいことなのか。そういうものすごく哲学的で根源的な問いが背景にはある。が、やはり80年代の(猛烈という言葉やファッションに時代を感じる)青春ドラマとしての部分が、とても爽やかで欝々としていていい。今回は由美や高踏派じみた友人との絡みも多くて、より物語に広がりができた。書斎や木蓮や地球や手紙など、心に残る場面も多い。2016/04/24

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