中公新書<br> 地域再生の経済学 豊かさを問い直す

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中公新書
地域再生の経済学 豊かさを問い直す

  • 著者名:神野直彦【著】
  • 価格 ¥748(本体¥680)
  • 中央公論新社(2014/01発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784121016577

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内容説明

地方自治体は膨大な財政赤字を抱え、地方の都市は均一化して特色を失い、公共事業以外に雇用がない……。地域社会は生活の場としても労働の場としても魅力を失い荒廃している。本書ではその再生に成功したヨーロッパの事例を紹介しながら、中心的な産業や重視する公共サービスなどがそれぞれ異なる、めざすべき将来像を提示する。そして日本型の生活重視スタイルを財政・政策面からどのように構築するかを提言する。

目次

序章 人間生活を問い直す
第1章 工業社会の苦悩
第2章 市場社会の限界
第3章 財政の意味
第4章 日本の地域社会の崩壊
第5章 財政から再生させる地域社会
第6章 税制改革のシナリオ
第7章 知識社会に向けた地域再生
終章 地域社会は再生できるか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

81
財政学が専門ですがどちらかというと制度的な側面からの分析が多いように感じました。俯瞰的な見方をされていて幅が広いような感じを受けます。日本の分析をされてそしてヨーロッパの地域再生の考え方を論じられています。地域再生に当たってはかなりきめ細かな対策も必要だと思いますが、この本のようにもう少し高い位置から眺めて全体的な対策を考えていくことも必要であると思われました。2015/10/27

Miyoshi Hirotaka

39
19世紀末には都市人口は全体の10%だったが、20世紀末には50%を超え、地方は空洞化。工業化による大量生産・大量消費で市場経済が実現したが、所有欲を貪り食う「強盗文化」が生まれ、市場経済は行き詰まった。まさに因果応報。これは、過去の都市が持っていた「生活の場」としての機能が失われたため、存在欲求が満たされず、物の豊かさに比べ、生活の質が実感できないためだ。地方都市の周辺を含めた地域の中に、人間の生活が完結できる包括的機能、つまり文化を残すことで生活の質が向上する。そのためには自己決定権の拡大が必要だ。2015/01/09

Kei

16
非常になるほどがいっぱいの本。地方に財源を渡さない中央集権的な何処かの政府もあるが、地方に財源と権力を委譲し、地方がコミュニティーとして自立ある財政、そして発展を遂げていけるような仕組み作りを自ら出来るようにしないと国そのものがダメになってしまう。中央集権は均一ある国土の発展をするのには良かったが、役割が終わったらやはり変えるべき。今の日本に未来はあるのかと本当に不安になってしまう。2016/08/05

Nobu A

13
序章から引き込まれるような出だし。グローバル化とローカル化の狭間で揺れ動く地域。成熟した社会の再生シナリオは両極端の2択。市場主義の追随とヨーロッパに見られる持続可能な反市場主義再生。終章を含む9章構成。地方財政学専門家の筆者だけあって第5章と第6章では財政学視点から詳述。だが、正直一知半解。後章で知識社会の地域再生に流れが変わり再び興味が湧いたが、全体的にやや難解。まあ、財源あっての地方再生だから財政学が理解できたらより学ぶことが多かったかも。数カ国数地域での独特な地域活性化の取り組みが興味深かった。2020/05/18

いっしー

9
タイトルとは裏腹に冒頭は、大局的視点から工業社会の苦悩や市場社会の限界から始まる。そこから地域社会の崩壊へと続くわけだが、再生するためには地方財政の再生、つまり地方へのさらなる税源移譲を欧州の例を上げて詳細に述べている。ある意味この分野に明るくないと難しいと感じる部分だろう。終章のストラスブールやビルバオの地域社会再生、そして高知市や札幌市の取り組みは楽しく読めた。2016/10/20

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