内容説明
一年に一度決まったルールの元で起こる殺人。今年のターゲットなのか、6月6日、44歳になる小田原静子に脅迫めいた手紙が届いた。探偵・保呂草は依頼を受け「阿漕荘」に住む面々と桜鳴六画邸を監視するが、衆人環視の密室で静子は殺されてしまう。森博嗣の新境地を拓くVシリーズ第1作、待望の電子書籍化。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
勇波
259
満を持して『V』シリーズに突入。久々の素敵小説に大満足です。本作自体がまだシリーズの序章っぽい作りになってるので今後がめっちゃ楽しみ。紅子さんも犀川先生に輪をかけてミステリアスで、他の面々も魅力的なキャラ揃い。誰が主役でも構わん感じ。この物語のある意味『動機なき殺人』を人間の尊厳にまでに昇華させ納得させられる手腕にはもはや脱帽です。これも犀川先生が言い続けてた綺麗で単純な形なのですね。ともあれ次巻以降に早くも大きな期待が出来る一冊になりました。スカートから繰り出す練無君の必殺キックを早く見てみたいのだ★2016/07/19
さばかん
204
いや~そう来たか~。 面白かった。 いや~まさか探偵が推理しないとは思わなかった。 まさか探偵役がいないとは思わなかった。 そう来てしまったかーって感じ。 信じていたのに……。 とっても良いキャラクターたちですので、このシリーズも楽しめそうです。2017/05/22
nobby
152
S&Mの余韻残すままVシリーズへ♪「わからない」「意味なんか何もない」そんな呆れるほどの潔さで物語閉じるのが見事だ!保呂草潤平・小鳥遊練無・香具山紫子・瀬在丸紅子、この主要メンバー4人の突飛な名前に加えて、それぞれの個性が強烈過ぎる(笑)エピローグまで読んで、なるほど実質エピソード0なのだと気付かされる。毎年ゾロ目の日にゾロ目の年齢の女性が殺される真相は如何に!?推理をあまり示してくれず思わせぶりな犀川に比べて、癖が強いコミカルな会話で繰り広げられる謎解きが楽しい♪ばら撒き放題の伏線に何と心惹かれるのか…2019/02/19
KAZOO
151
森さんの新しいシリーズを読み始めました。前のシリーズに比べるとエンターテイメント性をより強く出している気がしました。軽い感じが多くコミックにしてもいいのかもしれないと感じました。読みやすさがあります。それにしてもよくこのような登場人物の名前を考え出しますね。2016/05/03
ひめありす@灯れ松明の火
144
刊行順で!と言われて貸してくれた人より『森博嗣は登場人物の名前が読みにくいのよ!!』……仰る通りです。何故か根来さんが毎回「この人誰?」になってしまう。私が思うに、黒猫の三角というのは猫の額程の小さな空間に三角関係が幾つも存在している、という事なのではないかと思いました。紫子さん、紅子さん、れんちゃん、林さん、保呂草さん、へっくん、動機、殺人、犯人。ぴったりと重なりあわさって、綺麗な三角形が一つだけ残った時に一体誰が共感してくれるのだろう?三角形とは、初めてそれだけで完結する図形。誰も寄せ付けないのかも。2015/02/11