内容説明
恋愛の究極は、手ェも握らんとこへ還る。しょせん男は気立てと甲斐性。人生、エエとこ取りでよい。血は水より薄い。「死」の対極にあるのは「生」ではなく、「恋」である――。人間への深い愛と洞察力を持つ著者が行きついた、鋭くてユーモラスな田辺流決めフレーズ集。人生をより軽快にするための応援歌であり、ふとこぼれる本音であり、気持ちひとつで手に入る幸福のさまざまなかたちの提言ともいえる。
目次
男と女
女とは
男とは
生と死
世の中さまざま
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
じいじ
39
本作は、田辺聖子の《人生のひとりごと》集である。世相を、男と女を一刀両断。一見辛辣に思えるが、どこかやさしさと、思い遣りを感じてしまう言葉の数々だ。いくつか紹介・・〇男はウソがヘタだというが、そのかわり「隠しごと」の大家である。〇「ゴメンナサイ」と女がいうのは、最後の時である。〇老いはじつに日々これ発見の連続だ。〇結婚生活のヒケツはひとつ、見て見ぬふり。〇結婚生活の要諦は「あんたが大将」と相手に言わせることだ。〇男は口を開けば失敗談になる。女は口を開けば自慢話と美談になる。・・疲れたときに恰好な一冊。2015/04/29
双海(ふたみ)
22
田辺さんの作品に出てくる言葉たち。「美人は夫も子ももたず、孤独で終ればこそ、ほんとの美人なのである。」「女の背後には、恒に<常世の闇>がついてまわっている。」「『ゴメンナサイ』と女がいうのは最後の時である。」「男は共に生きるとき女を選び、共に死ぬとき男を求める。」2015/01/28
団塊シニア
15
作家田辺聖子の小説のなかの主人公たちが考え行動し、その曲がり角につぶやく人生の独り言を集めたものである。「生と死」ではそもそも幸福の実態は日常の細部にある…。「男と女」では愛の反対は無感心である。いずれもなるほどと思わせる言葉である。2012/06/22
うりぼう
8
聖子さんの箴言集なのですが、心に残っている言葉全然ない。聖子さん著書自体も読んでいないせいでしょうか。多分、聖子さんを恐いと思う深層心理がそうさせている。2002/08/05
Dream
4
いろんなところからかき集めてきた一節の集まりで、つながりがないのでインパクトには欠ける。しかし、「結婚の成功というのは、互いに相手から何かを発見し続けていくことができるかどうかだ。」という一節に、なるほど。と思った。2011/05/04