中公クラシックス<br> 省察 情念論

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中公クラシックス
省察 情念論

  • ISBN:9784121600332

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内容説明

デカルト道徳論のかなめは欲望の統御にあり、「高邁」の精神こそはあらゆる徳の鍵である。
形而上学的次元における心身二元論と、日常的次元における心身合一とをつなぐ哲学的探究。

目次

省察
情念論
書簡集

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

syaori

73
「省察」「情念論」を収録。「省察」では「方法序説」での認識や存在等についての思索をより詳細に追ってゆきます。デカルトは自分が感覚する世界を、神を疑い、そうして到達するのが、しかしそれを考える私は存在するという有名な真理。その”考える我”を基盤に神や物体の存在が証明されますが、この信ではなく疑からの真理の観照に中世との懸隔を感じるよう。また、情念を「欲望」「忌避」とするスコラ学に対し、情念に最も多く動かされる者が「最も多くの楽しさを味わいうる」とする「情念論」にも中世と近代の結節点・転換点を見るようでした。2023/12/27

Major

40
【Note2 】4. 自己対象化と自己疎外論に関連して: 情念はしばしば意志に反して湧き上がり、魂を翻弄する。ここには「自分のものでありながら制御不能なもの」という自己疎外的側面が現れる。デカルトは、情念が生じている最中に、それを客観的に観察(自己対象化)することを勧める。「最も弱い魂をもつ人々であっても、もし情念を導き、統御するために十分な努力を用いるならば、情念に対して絶対的な支配権を獲得することができる」(第50節)。→2026/03/09

Major

34
【Note1】デカルトの遺作となった『情念論』(1649年)は、それまでの『方法序説』や『省察』で打ち立てられた峻厳な心身二元論を維持しつつ、生身の人間がいかにして情念(パッション)を統御し、幸福に至るかを探究した画期的な著作である。本小論文では、7つの観点から同書を読み解き、デカルトの人間観の到達点を考察する。デカルトは基本的な情念を6つ挙げている。彼は魂が外界の刺激や身体の変化によって受動的に抱く感情や心の動きを「情念(passions)」と定義した。→2026/03/09

白義

16
ありとあらゆるもの全てが悪魔に騙されて認識しているのではないかという、徹底的懐疑を方法にそれでも絶対に残る自我と、そしてその自我に完全という概念を与えたはずの完璧な神という原理を抽出するデカルトの主著、省察。不完全な精神に完全なものを吹き込んだのは完全なる神以外にありえない、というのは完全という言葉を微妙にトリック的に使っている気がするのだが、明らかにデカルトの倫理では実は自分の精神以上にこの点が全ての思考のコアなのは確かであり、古臭い護教論神学と笑うよりはその今との思考原理の断絶性もまた重要なのだと思う2017/06/24

K

13
流石に『省察』ぐらいは読んでないと不味いなと思っていたので、読みました。内容はすでに断片的に知っていたのでそこまでヘビーでは無かった(そもそもそんなに難しいことは言ってない)。『情念論』の方が時間がかかった、しかし、デカルトの分析能力は本当にすごいなと思いますね。あと、エリザベト女王との書簡も収録されていて、個人的にはかなりお腹いっぱいになりました。2021/05/30

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