内容説明
24歳のOLが、アパートで殺された。猟奇的犯行に世間は震えあがる。この殺人をめぐる犯罪記録、週刊誌報道、手記、供述調書……ひとりの記憶喪失の男が「治療」としてこれら様々な文書を読まされて行く。果たして彼は記憶を取り戻せるのだろうか。そして事件の真相は? 視点の違う“言葉の迷路”によって、謎は深まり闇が濃くなり──名人級の技巧を駆使して大命題に挑む、スリリングな異色ミステリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Take@磨穿鉄靴
73
清水氏初体験。んん。よく分からなかった。結局克巳はちゃんと記憶があった。少なくともラストには記憶があって「あんたがいくら考えてもおれの考えてた事なんて分かるわけねえよな」と言う笑いなのか…。全くとんちんかんな事言ってる可能性あり。東野圭吾の「悪意」の展開に似ていたけどスッキリ感は皆無。何か見落としてるのか??また少し寝かせてから再読しよう。★★★☆☆2019/01/21
えみ
59
取り込んでいると思ったほうが取り込まれていたのか…。頭がおかしくなりそうな眩暈と混乱を誘う怒涛の真相剥離…一体何がどうなっているのか。何故そうなったのか。そして何より彼らは何者なのか。ページが進むほど不安になり、終わりが見えてきた頃にはどっぷりと謎が謎とも思えないような迷宮へと導かれてしまっていることに気がつく。殺害後に体の一部を削ぎ取って持ち帰ったという猟奇的なOL殺人事件。それだけでももう真相が知りたいと興味津々なのに、犯罪が事細かく書かれた記憶書を読まされる「記憶喪失」男の正体と言動も気にかかる。2023/09/15
山茶
54
帯買い。叙述ミステリ。序盤に事件の全容があらかた判明してすっきり整理した頭で読み進めていくのだが、読み進めるに連れてだんだん混乱してきて、なんだなんだ?とモヤッとしたまま終わった感じ。読後感は心地良い悪さです。叙述られるのを期待したのだがそこは期待はずれだったかな。手紙や供述やインタビュー、週刊誌など変わった形で書かれている展開は斬新で面白かったです。我孫子武丸の「殺戮に至る病」を少し思い出しました。2012/05/07
りょうこ
52
ん〜微妙。面白かったか?と聞かれれば....普通。好きか嫌いか?と聞かれれば嫌い。でもこおゆうのもあり?かと聞かれればありかな。個人的に嫌いなだけだから(笑)モヤモヤするぅ(>_<)初めてかもしれません...これだけ嫌いな作品^^;ある意味貴重。2011/12/27
ううち
46
本棚に埋もれていた一冊。 記憶を失った人が事件の手記やインタビューなどを読み進めていくという不思議な作品でした。メデイアなどに書かれていることは一部を切り取っていいように編集されているというのには頷ける。帯の煽り書いた人はホントに読んでるのかしら?2018/10/21