内容説明
有美は26歳、文芸の編集者。業界では駆け出しながら、生真面目さと熱意で仕事は軌道にのりつつある。しかし同僚の女性が殺され、元流行作家の妙な電話を受けてから有美自身も狙われはじめた。事故か。人ちがいなのか。婚約者、新人作家、流行作家などの輪が平凡なヒロインを目くるめく翻弄する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
coco夏ko10角
18
文芸編集者の有美、ある日同僚が殺され自身も狙われるように…。犯人の名前見た瞬間驚き。動機もね…やった側はそんなもんだけど、やられて生活や性格に影響があった方は覚えてるからね。それよりビデオの方がそこまでするのかと。ミステリーもだけど作家と編集者の関係ややり取りも面白かった。2023/02/09
クキモン
11
事件の謎解きというより、複雑に絡み合った男女関係の心理サスペンス。舞台が出版業界ということで、編集者の知らぜらず苦労、新人賞の内幕、作家の作品への思いなど、本好きにはこちらの方が興味深いかも知れません。2019/07/28
MIKETOM
5
出版業界を舞台にしたミステリー。編集者沢口有美の前任者が猟奇殺人の犠牲者に。そして有美自身も、階段から突き落とされたり車道に突き飛ばされたりなどの事件にあう。そしてまた有美そっくりのAV女優出演のAVが有美の婚約者に送られてくる。誰がなぜこんなことを…。調査が始まるのだが、けっこうたくさんの作家・編集者ETCが出てくるので人物を憶えきれなかった。ミステリーより人間模様を楽しむ作品。ただまあ、予定調和的ラストはちょっとコクが足りなかったかな。それより、編集者と作家の仕事のやり取りなどが興味深かった。2022/03/22
yutusbochan(yasuhiko.utsubo)
5
1999年発刊の柴田さんのミステリー。主人公の江口有美は出版社で文芸誌の編集に携わる26歳。東大卒で初めての彼氏もいて、なんか順風満帆な人生。なのに、先輩は猟奇殺人のような事件で殺されて、自分も命を狙われたかのような事件に巻き込まれていく。たまったもんじゃないよね。小説とわかっていながらも、次々に登場する人物が魅力的なのが柴田さんの小説の面白いところかなあ。今回は、新人賞を狙いあった新田さん佐久間さんなる大学院生の若者若手作家が、その役割。事件の解決に向けてもとてもいい役回りをしてくれました。反面恋人の丈2010/07/19
けいちか
4
心理ミステリー系というのか、じわじわ怖い感じ。ネットの話とかは書かれた時代を反映してか、まだ掲示板とかそんな程度だったが。柴田さんお得意の同性愛傾向のある人間が複数登場。しかし、主人公の婚約者となる丈に関しては、あまりはっきりとは性格が掴めず。2013/05/13




