内容説明
角丸真理子は父の反対を押し切って、屋敷芳樹と結婚した。小野和人という恋人をふっての決断だった。しかし、新婚生活のスタートとともに地獄ははじまった。言葉の暴力――それも叱責や罵倒ではなく、やさしい皮肉。真理子の神経を柔らかく包み込むように、夫の言葉が鼓膜から脳髄へと侵入していく。精神の限界に到達した真理子は、ついに決断した。「やさしく殺して……」。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人００９
134
２００２年に刊行された吉村達也さんの１３６冊目の著作で新たにサスペンス小説の分野にチャレンジする集英社文庫の書き下ろし第１弾ですね。でもこれより前に集英社文庫で１冊出ていますが何故かその本は消されていますね。本書は内容的には、本当は短編で十分に書けるストーリーを、展開をうーんとスローにして膨らませているとも思えますね。気が短くてせっかちな方にはお奨めできませんが何とか耐えて読み進めたら、最後には日本語の言い回しの意外な逆転の心理トリックが炸裂して、じんわりと戦慄が込み上げる一瞬のサスペンスが味わえますよ。2020/07/25
ゆめ
16
★★ あっという間に読了。ホラーですよね。十分に。2015/07/30
Rin
16
★★ こわ〜い。充分ホラーです！あっという間に読了！でも少し苦手。2015/02/05
なっち
14
吉村達也さん，きちんと１冊読んだのは初めてでした。ホラーの人というイメージが強かったですが，様々なジャンルのものをお書きなんですね。屋敷のような男は実際にいるとして，もちろん最悪な男なのですが真理子も自分勝手で同情の余地がなかったなぁ。2016/07/20
そのぼん
10
読んでいてイラっとする作品でした(笑)。そんなに嫌な相手だっさら早く別れればいいのに、と思いました。2012/02/22
