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内容説明
日本史で、時の権力者が天皇の権威を利用した事例は枚挙に暇がない。例えば古代では蘇我氏や藤原氏がその典型だ。ところが権力を得た者たちが、天皇の権威を剥奪せずに温存させたのはなぜか。その謎解きを、日本最古の正史『記紀』の中で「鬼」呼ばわりされ、蔑まれた古代最大の豪族・物部氏と、神格化された天皇家との不思議な関係を手がかりにしながら、隠された真相に迫ろうというのが本書の試みだ。著者はまず、天皇家の祭祀形態に注目する。例えば、神武天皇の誕生日である紀元節で祀られる神が、なぜか『日本書紀』でも鬼扱いされる出雲神だというのだ。どうして天皇家が鬼を神扱いする不可解な現象が起きたのか。その疑問を解く鍵として、伝説の出雲神・ニギハヤヒを祖とし、天皇家の祭祀を取り仕切ったとされる物部氏が登場する。物部氏と天皇家の関係の秘密がさらに解明されれば、神武東征や出雲の国譲りの謎が一気に解決する可能性をも示唆する。
目次
第1章 循環する王権システム<br/>第2章 祟る神・入鹿の謎<br/>第3章 神の一族・物部と出雲の正体<br/>第4章 ヤマトを建国した鬼の正体<br/>第5章 もう一つの鬼の国・伽耶と天皇家の秘密<br/>第6章 鬼がつくった永続する王権
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
調“本”薬局問悶堂
4
古代史はとても興味深い。 この本の中に出てくる"鬼"とは、別に本当に角のある赤鬼や青鬼じゃない。 "鬼"と呼ばれるようになった人たちだ。 どうやら"神"と"鬼"は表裏一体のようだ。 日本の神話も読んでみたい。 古代史に興味を持つきっかけは漫画だ。 山岸凉子の『日出る処の天子』『青青の時代』 里中満智子の『天上の虹』 木原敏江の『夢の碑シリーズ』 私は、日本の“鬼”は外国人だと思っている。 青く見えるほどの白い肌。 お酒を飲むと真っ赤になる。 色の違う瞳や髪。 大きな身体。 《2020年5月 登録》2005/04/25
いちじく
3
おそらくと、かもしれないの想像力でピースを埋めてる部分が多いと思う。話としては面白いのだろうけど、物部氏について客観的な事績が知りたかったので思ってたのとは違う本だった。中臣鎌足が百済の王子説にびっくり。2022/11/13
mari
1
とんでも本とされる?関さんの本ですが、私は大好きです♪しょーみ昔々の話はどうとでも解釈出来るし~。ここまでいっちゃってくれたら気持ちがいい^^ロマンがあるし、ワクワクする!2011/09/30
ひろゆー。
1
根拠薄弱な仮説に仮説を重ね荒唐無稽な結論に導く方法論は、どれだけ批判を浴びても足りないだろう。それでも魅力のある説に見えるのは、積み上げられる仮説の間にある想像力が大胆で直観的には間違っていないからかもしれない。通説や正史を鵜呑みにせず常に懐疑的に捉えることの大切さは、少なくとも評価できる。2009/06/14
ひろし
0
ちょっと著者の熱についていけない感じ。断定系の物言いにあまり説得力を感じない部分があったり、推測を前提に力強い主張をしたり。個人的にあまりロマンを感じなかった。2017/08/05
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