内容説明
お受験詐欺を働いたお母様先生の理屈、牛丼屋の卵にキレた男、車内暴力の復讐がとんだ結末に……など、雑魚のような事件に潜む人間の愚かさ、悲しさを元検事の弁護士が厳しくも暖かい視点で描く犯罪ノンフィクション。 お受験詐欺を働いたお母様先生の妙に説得力のある教育論、なんと投票率120パーセントのからくり、刑務所に戻りたいがために無銭飲食を犯し続けるおじさん、牛丼屋のタマゴにキレてとんでもない事件を起こした男などなど、日々ニュースとして流れない“雑魚みたいな事件”にこそ、人間の本性が現れる。検事出身の弁護士である著者が実体験に基づき、時に厳しく、時に暖かい視点で罪を犯してしまう人間の愚かさ、悲しさをヒューマンなタッチで描く犯罪ノンフィクションです。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うたまる
1
「あなたたちがしたようなことを、法律で禁止してまで守ろうとしているものが何なのか、それを分かってますか、と僕は訊いているんだ!」……軽微な犯罪を処理する下っ端検事の回顧録。若いだけに熱い正義感と変なイキりが混在したテイストで、それが意外にも好ましい。そして著者は気付いていないようだが、随所に司法の形式主義や権威主義も仄見え、考えさせられる点が多かった。弁護人に突っ込まれないよう精神鑑定は敢えて見送るとか、年上の事務官への偉そうな口調とか。若くして著者がその毒に順応している姿を見て、勃然と悲しくなった。2022/10/11
ARIE
1
初読。友人にお願いして借りた本。現在は絶版で中々手に入りませんが、一時は修習所にも置かれていたらしいです。検察官が現実に経験した事件を基にして作られたストーリー。私にとって1番印象に残ったのは桜の枝を贈る話です。検察官が1人の人間の人生と向き合うこと、ガチンコでぶつかり合うことの重さを感じとることができたと思っています。また検察修習が終わった後に再読したい本。2016/11/05
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