内容説明
日本のカウンセリングの黎明期から、その成立と発展を支えてきたベテランカウンセラーが、みずからの臨床実践のなかから新たに見えてきた実践的臨床知を、若い臨床家たちに向けて書き下ろした力作。最近のカウンセラーに不足している能動性と見立ての力について、カウンセリングの効用と限界について、また「感情」「感覚」という二つの視点からのユニークな共感についての考察など、長年の臨床経験からしか語れない貴重な内容。
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目次
第1章 カウンセラーの能動性と受動性
第2章 見立て
第3章 カウンセリングの効用と限界
第4章 カウンセラーは何をするのか
第5章 感情的共感
第6章 感覚的共感
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ank
3
主治医が「自分は、あなたにとって鏡のような存在」と話したことがあり、鏡の意味を知りたくて読みました。子どもを見守る母親のような眼差しで患者を見、患者はカウンセラーを通して自分を見直すそうです。なるほどね。2018/01/23
たらこ
1
ややもするとカウンセラーが陥ってしまいがちな、「ロジャース的な」(あくまでも「的な」)受動的態度を一刀両断した本書。主にユングの理論を用いながら、自身の臨床経験と共に、カウンセラーの受動-能動性に言及。「意識の場」を仮定し、身体プロセス→感覚→感情→思考→現在の意識という順に働きかけがあるとした上で、感覚機能が受動性、感情機能が能動性に対応すると考えた。明瞭な語り口で読みやすく、良書。2011/08/23
さや
0
もう一度読み直す。2011/03/25