角川ソフィア文庫<br> 心の傷を癒すということ

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角川ソフィア文庫
心の傷を癒すということ

  • 著者名:安克昌
  • 価格 ¥550(本体¥500)
  • KADOKAWA(2013/12発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784043634019

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内容説明

心的外傷後ストレス障害(PTSD)。阪神・淡路大震災は人々の心に、癒えない傷を刻み込んだ。傷つく心とは? 心のケアとは? 自らも被災しながら、精神医療活動に奔走した、ある精神科医の魂の記録。

目次

第1部 震災直後の心のケア活動1995年1月17日~3月(私の被災体験 精神科救護活動はじまる 直後に発症した精神障害 精神科ボランティアの活動)
第2部 震災が残した心の傷跡1995年4月~96年1月(PTSDからの回復 死別体験と家族 その後の心のケア活動 避難所と仮設住宅の現実 変化してゆく意識)
第3部 災害による“心の傷”と“ケア”を考える(“心の傷”とは? “心のケア”とは? 災害と地域社会)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

せ~や

77
すごい一冊。震災時のボランティアは自己満足では?と思ってましたけど、この一冊を読んで、ボランティアの必要性を、もっと言うならただ「存在する」という事の大切さを実感。支援する・されるのタテ関係ではなく、する・されるではなく、ただ傍にいるというヨコの関係なんですよ。ぜひ、支援者・被支援者とかの言葉を使って活動している人達に読んでほしい。「苦しみを癒やす事よりも、理解する事よりも、苦しみがそこにある、という事に気付かないといけない」。その通り。どうするかではなく、ただそこにある事を一緒に感じる事の大切さを。☆52020/11/23

coco

27
安さんご自身も阪神・淡路大震災で被災されて大変な状況の中、震災によって「心の傷」を負った人たちに、精神科医としてどのようなケアを行っていくべきか考え、行動なされた記録が綴られています。精神科医としての立場からみた震災後の当時の様子が丁寧に書かれているので、私自身も「心のケア」がなぜ重要とされているのか、どのような役割を果たしているのかをきちんと理解するために考えながらゆっくり読み進めることができました。 (1万円選書①)2021/09/20

コージー

27
★★★★★阪神淡路大震災後の「心のケア」を語った、ある精神科医の実録。「復興という言葉は嫌い。壊れたものや亡くした人を蘇らせることはできない」という、家族を失い生き残った男性の言葉が紹介されていたが、明るい未来へ向かう「復興」を掲げた被災地には、素直には受け入れられない様々な思いが裏に隠されているのだなぁと、今さらながら思い知らされた。15年以上前の本だが、心のケアの奥深さを改めて実感できる、素晴らしい本だと思う。しかし解説に掲載されている著者の最期は、何とも悲しい結末である。2020/12/14

くまさん

27
「異常な状況に対する正常な反応」という危機のなかの人間観と、「同じ体験をした人でないとわからない」という共有不可能性を見定める稀有な医師は、それでもなお傷を受けた体験を表現することを通して世界と折り合いをつけ、生きる実感を取り戻していく可能性を見つめつづけた。相手の話を待ち、心情を聴き取る具体的な過程も綴られる。「避難所をなかなか離れられない人たちは、将来に不安を持ち、行政の対応に怒りを感じ〔…〕あせりとあきらめの中で、ただ事態が好転するのを待たざるをえない」。本質的な本は現状と向き合うことを優しく促す。2020/05/05

タルシル📖ヨムノスキー

26
精神科医の安克昌氏が綴った阪神淡路大震災の記録。第1章は震災直後〜3月。まず混乱そして手探りで診療・ケア。第2章は96年1月まで。この章で主に語られるのはPTSD(心的外傷後ストレス障害)について。そして第3章は被災から1年間の経験で得た「心の傷」とは何か、「心の傷」をケアするとはどういうことかについてまとめられています。被災者へのケアはもちろんですが、復興に携わる自衛隊員、消防隊、医療チームへのフォローが大切だということを知りました。それからボランティアは自己責任で行うこと。食料や寝床の確保も含めて。2023/09/28

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