内容説明
憩いの時と多忙な時は互いに浸透しあっているように思うという大岡氏の現代詩と芸術への思い、古典への誘い、芸術家たちとの温かい交流、外信部記者のころの出来事――。ことばと人、芸術をめぐる大人のエッセイ集。
目次
忙即閑でありたい(忙即閑でありたい 古典というのは何だろう ほか)
日本語と日本文化(日本文化とフランス人 「落丁」がうまる歓び ほか)
雨中の大噴水(フレーフレー 雨中の大噴水 ほか)
ものに生き芸術を生きる(大悟の人の強靭な精神活動 八十過ぎて新しき詩人 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さきん
18
初めて連詩の魅力を知った。日本語に関わるインタビューが必見。2017年現在、大学でも人文系の大学や教育機関は役に立たないと批判され、減らされていく傾向にあるが、突き詰めれば生きていること自体、説明しつくせない不合理なことであり、無駄でもあることを鑑みれば、詩を嗜む人材がゴロゴロ世の中にいた方が、よっぽど理系だらけ、合理主義、金かねの世の中よりも楽しいのではないかと思った。1993年に書かれた本だそうが、遠い昔のように感じる。2017/11/03
tk2308
0
大岡信がバブル期に描いた随筆集。谷川俊太郎と共にドイツの詩人らとの連歌を創るエピソードなど。他に様々な文化人との交流を描いているがほとんどは鬼籍に。本人ももそうだが、著名人が亡くなると○○記念館を建てたりするが次第に忘れ去られ閉館するパターンが多い。2022/08/17