内容説明
風のように爽やかな幸田文、魅力の英雄・周恩来、ぼけた妻に悩まされる谷川徹三、超変人の木下恵介、黒澤明……そして無名の素晴らしい人たち。何気ない日常にキラリと光る、人間模様の数々を柔かなユーモアで生き生きと描いた、心温まるエッセイ集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinupon
61
人間(じんかん)至る所に青山あり。2016/12/20
ほほほ
23
国民的大女優、高峰秀子さんのエッセイ。何気ない日々の暮らしのことから養母との確執まで、色々なエピソードが読めて楽しかったです。すっきりしていて強く品のある文章は高峰さんそのもの。ドロドロしそうなことや苦労もどこか冷めた、面白がるような様子で小気味よく書かれていて、割り切ったような白けた目線がかっこよくて素敵でした。人間に不可欠なものは、一にも二にも「絶え間ない緊張感」だというところには私たちの知っている凛と美しい高峰さんらしさが表れていましたが、その他は肩肘張らないエピソードばかりで親近感が湧きました。2015/09/17
りえこ
17
高峰さんの本、全て読みたいと思い、読みました。この本では、養母の話がとても印象的で恐ろしかった。2013/10/27
YuiGaDokuSon
5
高峰さんの文章は、ユーモアがあって味わいがある。2010/09/15
nowhereman134
3
「十時三十分」に書かれていることは、とても繊細なこと。◆表現することが難しいし、誤解が生じるかもしれない。それがわかった上で書かれている。◆私は、そこに書かれている繊細さに共感する。◆ただ、その結論には違和感を覚える。◆この文章を読むかもしれない、当の母親と息子の気持ちを考えると、心がざわついてしまう。◆緊張感を内に秘めたまま、今まで通りでもいいのではないか。◆う~ん、よくわかんないや。◆いずれにせよ、とてもおもしろく読みました。2012/04/28